2009年5月1日 その①
あもんは広島生まれ広島育ちの旅人である
島国日本を旅しながら
北の大地の宝物や南の海の宝物などを求め
とにかく見たことの無い宝物を求めて旅をしていた
広島から旅立ち広島へ帰っていく旅が続いた
とあるキャンプ場で全国を転勤している自衛隊の方と話していた
『えっ あもんさん 広島の人?』
『はい そうですけど』
『良いとこだよね~広島 私は大好きですよ』
『えっ そうなんですか でも、広島って他県の自然のスケールに比べたらどれも中途半端ですよね。原爆で有名なだけなんじゃないんですか?』
『いやいや違うよ。広島はなんでもある県ですよ。温暖な沿岸に積雪のある山間部、島があれば橋も掛かっている。スキーにマリンスポーツ、海釣りに登山。山の幸に海の幸。どれも一つの県で満喫できるんだ』
『ん~そうだな~私的には広島県は“日本の縮図”ですな』
『スケールの大きい自然も素晴らしいけど、何でも身近に満喫できるっていいじゃん』
そうか~
あもんは 広島の宝物を探そうと靴を履いた
広島の自慢できる宝物と言えばやはり『多島美』であろう
多島美を満喫するには『瀬戸内沿岸の小さな山に登る』のがいい
瀬戸内沿岸には多くの展望台が存在するがやはり山の頂上の方が高いからだ
あもんはこの日 広島の島へと車を走らせた
今日の目的地は『倉橋島』と決めた
倉橋島へは橋を渡っていく
音戸大橋と呼ばれるこの橋は昭和36年瀬戸内海で初めて本土と島に架けられた橋だ
『瀬戸内の銀座』と呼ばれるこの海峡は幅90mと狭い
1000t級の船舶航路を確保するためには螺旋式とループ式の道路を取り付けるしかなかったらしい
そんな条件の中創られた広島の宝物 『音戸大橋』
赤色の半円が美しい
シーズンであるツツジが咲き輝いていた
広島~松山間の定期船が往来している
さて、本日の目的の山は『倉橋火山』である
灯台の役割とう名の火山は標高408m
あもんのお気に入りの場所である
駐車場に車を止めて登山開始
10分後
登頂‥‥‥
トレッキング?
いや、登山である
いかに低い山でも山をなめてはいけない
山は完全なる装備で行かなければいけない
決してこの日の午前中に新調した靴とリュックを身につけたかったからではない
晴れ渡る大空に遥かなる海
そこに点在する瀬戸内の島々
島々を結ぶ橋
これぞ『広島の宝物』である
ひとりぼっちの頂上の大岩で
あもんはずっと宝物を眺めていた
きもちいい‥‥
あの気持ちよく旋回している鳶と同じ気持ちになった
あもんがここに佇む理由はただひとつである
心地よいから である
おかげさまであもんにも座る椅子はたくさんある
だけどその椅子に佇んでいたいとは思わない
あもんが心地よいと思う椅子は「地球」である
あもんはこの椅子に座りながら思った
『昨日に勝ったぜ!』
そしてあもんは詩を詠んだ
あもん詩集~スナフキンにあこがれて~
『かぞえ』
頂きの数を指折り数えてみたけれど
指は十本しかないという事に気づいた
足の指で数え続けようと思ったけれど
今日は十で充分 満腹だった
昨日に勝った それだけで満腹だった
明日は十一まで数えて頂くこととしよう
青色が茜色に染まり始めた頃
明日へ挑む 今日の僕がそこにはあった
宝物を見つけ
写真を撮り
詩を綴る
あもん詩集~スナフキンにあこがれて~はこうして出来上がる
あもんはこうして休日を過ごす