RADWINPS 「有心論」
神はいないと思うけど
心はあると思うんだ
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この詩を何度聞いても
何処で聞いても
耳に入ってくることばがある
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明日を夢見た人間信者は
明日の死を待つ自殺志願者に
3分前の僕がまた顔を出す
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2秒前までの自殺志願者を
君は永久幸福論者に
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この詩、調べてみたら失恋ソングみたいだ
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あもんが高校生の時
いつも一緒にいた友達が失恋をした
彼はのちに校内人気NO.1になる男だった
彼は彼女が他の男子とカップジュースを飲みあいこしているのを見かけ
「間接キッス」なるものに激しく嫉妬し
じみじみと僕にその悩みを相談した
ただ一緒に帰宅することに幸福を感じ
想いを告げることができただけでも満足だったあのころ
あのころの失恋はこれで人生が終わったかのように遺書を綴る
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その友達が失恋したとき
友達はあもんの助言に従順で
彼女からもらったプレゼントを海に向かって投げたのだ
彼は「ばかやろー」と言いながら立派に自殺志願者を脱却した
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彼はそのあと
永久幸福論者になったのだろうか‥
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あもんが大学生の時
あもんは失恋をした
別れを告げられたその瞬間
あもんは泣いた
彼女の前で泣いた
ひとしきり泣いたら自殺志願者になった
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次の日彼女を偶然見かけたら
昨日の別れは夢だったんだと思い込み
今からの新しい僕たちを妄想し幸福論者になった
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しかし、彼女は僕のそばにはもうこなかった
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2ショット写真を鍋に入れ
火をつけ思い出を消した
焦げ付いた鍋を見ているとまた自殺志願者になった
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数日後「思い出は大切に」という書き初めをしてしまったため
ネガを握りしめ写真屋へ
ひさしぶりに出会った彼女を
空白になっていたアルバムのページにはせた
そして僕は幸福論者になった
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女々しいとは「男々しい」と書く
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そして
僕はいまでも
永久幸福論者を続けている