青空にむかって | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

沖縄県下地島は

日本唯一の民間パイロット専用訓練空港である

3000m級の滑走路があるこの空港はジャンボ機の離陸も可能だ

この島の面積の約1/3を占めるこの空港は

国と県と島人の様々な思惑が絡まった歴史を持っている

 

1960年代後半から審議されてきたこの島の空港建設で

国は当初「今後の明るい未来」と地域の活性化を提唱してきた

計画当時は空港の軍事使用の噂や土地を奪われる地元民の反対もあり

国、県、島人の賛成反対、反対賛成などを繰り返していた

当時は賛成派と反対派による死傷事件にまで発展したらしい

結局、計画は「非共用飛行場(民間機以外は使用できない)」として通った

着工後、国は設備の費用捻出を理由に「公共飛行場」としての開港を提案する

建設中、民間空港会社は円高、オイルショックにより海外での訓練が安価になった為

建設中止を運輸省に申し入れる

そして1979年この飛行場は沖縄県が管理する

「第3種空港(地方的な航空運送を確保するために必要な空港)」として開港した

1994年、利用客減少によりこの空港の旅客定期便が運休

この島は近年中国との領土問題で話題に上がっている尖閣諸島に近く

沖縄本島と中国大陸の中間点に位置する

そのためこの空港の軍事利用の必要性が議論され

再び国、県、島人の賛成反対、反対賛成などを繰り返し

結局、建設当時に約束された

「この空港は民間訓練及び民間空港以外には使用しない」という文が通り

軍事使用空港は見送られた

2007年に那覇-下地島間の不定期便が開設されたが

わずか3ヶ月で休止した

現在は空港路線がなく、パイロット訓練空港として利用されている

 

そんな激しい論争を全く知らなかったマヌケあもんは

「ただ海へ飛び立つ飛行機がかっこいい!」という一心でここまで来た

残念ながら飛び立つ飛行機は見ることができなかったが

真っ青な海と空へ伸びる真っ赤な誘導灯が

たまらなくかっこよかった

「タッチ・アンド・ゴー」という合言葉をここで叫んだとき

最近僕の中では脇役的存在となってしまった

希望ということばが主役に抜擢された

それが主役になったからといっても

相変わらずゴーイングマイウェイなマヌケあもんがここにいる

今この論争を知り「この空港は島国の宝物なのか」と自問自答する

結論としては「島国の宝物」である

ここには多くの叫び声があるとしても

それに答えてくれる島国からの贈物があると思った

それはこの島を思い出すたびに

あの時主役となった希望ということばが

いつまでも変らずにマヌケあもんで居させてくれると思ったからだ

☆ 

『島国からの贈物』

『青空にむかって』

 

20051127日 沖縄県下地島訓練飛行場にて

 

青空にむかって

僕は大の字に寝る

全てを受け入れるために

今 かぎを捨てました

そして あなたを見つけました

 

海風に向かって

僕は両手を広げる

全てを包み込むために

今 裸になりました

そして わたしを見つけました

 

明日に向かって

僕は一歩踏み込む

全てに立向かうために

今 昨日に勝ちました

そして 希望を見つけました

 

 

島国からの贈り物も

 

ついに最終目的地 八重山諸島に上陸

 

旅の終わりに向け あもんは語ります

 

次回更新 『カビラニテ』