神の棲む処 | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

宮古諸島は御嶽信仰が厚い諸島である

御嶽とは聖地のことで神様が棲む処を表す

宮古諸島には900近い御嶽が存在するらしい

この御嶽は神社とは異なり

祭祀の時以外は立ち入り禁止な神聖なる場所で

祭祀集団は地縁や血縁で構成されている

昔はその信仰の中で住民の移動や

島外人との結婚が認められなかったらしい

なるほど宮古の血縁の濃さのわけが分かった気がする

「生命は自然界と人間社会を循環している」

それがこの信仰の礎になっている

確かに資源の少ない離島では

みんなで助け合って生きなければ

生き延びられなかったのかもしれない

自然の猛威を真正面から受ける沖縄の離島では

信ずる教えが生活の糧になっていたのも頷ける

 

伊良部島でのダイビングは隣接する下地島へ行って潜る

潜ってみると海中の地形も神々しい形をしているのに気づく

自然海底建築物のような「アントニオガウディ」や

幻想的な光のシャワー浴びることが出来る「魔王の宮殿」など

エアーが無くならないのなら何時間でもそこに居たい絶景ポイントである

「魔王の宮殿」を例えて言うなら

「北斗の拳」のラオウの最後のページの風景である

この島は隆起サンゴで出来た島であるため

地質は浸透しやすく侵食しやすい琉球石灰岩が大部分を占めており

おかげで川がない

しかし湧き水が豊富なため古代より島人はここで暮らすことができた

大学の研究によりこの島の地下に特殊な地下水域が発見されている

ついでに言うと伊良部島沖で氷河期のサンゴの化石が発見されている

 

下地島にはダイビングスポットであり観光スポットでもある

「通り池」という処がある

大きな二つの池と海とは海底洞窟で通じてつながっており

表層が淡水、下層が海水という珍しい池だ

古代からあった鍾乳洞が海からの波の力で

壁面が削られ池になったと論じられている

ダイビングでは海からエントリーをし

洞窟を通ってこの池に顔を出すという体験が出来る

陸からこの池を観光していると

いきなりブクブクと泡が立ちダイバーが現れると言う

びっくりポイントでもある

不思議な池のためこの島ではいくつかの伝説も残されている

2006年に国内でも33年ぶりとなる名勝と天然記念物を指定されたみたいだ

もうひとつ神を感じられる場所で「帯岩」という処がある

1771年に起きた八重山地震の時に

津波によって島に打ち上げられた巨岩だ

高さ85mの津波が襲ったというこの地震時には

多くの巨岩が打ち上げられたらしいが

空港建設の時にこの岩以外は砕かれてしまったらしい

中央が少し窪んでおり、人が帯をしているようなのでこう呼ばれている

この岩をまじかで見るとかなり大きい

しかも海からの距離はけっこう離れている

島人の願いによって残された帯岩は

今は海の神を祀る神聖な処となっている

 

この神々しい島を創ったのはいったい誰なのであろう

間違いなく「神」である

神にとって地球はアートのキャンパスであり

このアースアートには神の存在を垣間見ることが出来る

そう感じたのは

ダイブガイドさんが出航直後に

お神酒として泡盛を海に捧げているのを見たからだ

☆ 

『島国からの贈物』

『神の棲む処』

 

20051127日 沖縄県伊良部島 通り池にて

 

離島ムード漂うほんの小さなこの島の

 

天空海闊な地には神の棲む処がある

 

地の神は豪快に珊瑚を隆起させ島を創り

 

海の神は神秘的な海中造形を建築して

 

光の神は幻想的な海中イルミネーションを演出して

 

風の神は驚異的な暴風暴雨で警告を発し

 

水の神はこの地とあの地の通り道を架けた

 

神を感じた僕はたちまちこの神の信者となった

 

神託を受けた僕は信仰を深める為に

 

人々に神を伝えることによって

 

神事とする

 

詩集 『島国の宝物』より

 

 

 

 

 

沖縄県下地島は

日本唯一の民間パイロット専用訓練空港である

 

そんな島であもんは

 

笑い、はしゃぎ、そして深く考えた…

 

次回更新 『青空にむかって』