宮崎駿監督作品「もののけ姫」
この作品は屋久島の森をモチーフにされているが
舞台は中国山地である
映画の中に登場するようなたたら場は今でも大事に保存されている
動物が巨大化していた時代
森は原生林の状態で存在していた
たたらという製鉄技術が伝わり、森は伐採され始める
権力誇示の願望もあってか、権力者エボシはシシ神の首をねらう
首をとられたシシ神は瞬く間に森を枯れさせていく
そして首を返してもらったシシ神は瞬く間に森を蘇生していく
・
蘇生
多くのメッセージがあるこの作品の中で
僕はこのことばに感慨した
そう、森は蘇生し続けるのだ
寒いからストーブつけよう
暑いからカキ氷を食べよう
そんなこと森は言わない
あたかもこの環境変化を予言しているかのように蘇生をする
・
中国山地には100名山の山から
小学校の遠足で行けるような山まで、数多くの山が点在する
そこには絶景といえるまでの展望は無い山もあるし
廃道化した道が続く山だってある
しかしそんな山にもかつては「こだま」がいただろうし
もしかしたら今でもいるかもしれない
山は生きている
そう感じるには水のない川があるような
ちょっとお疲れ気味の山に登るほうがいい
☆
☆
☆
☆
☆
『島国からの贈物』
☆
☆
☆
☆
☆
『水のない川』
2000年3月26日 広島県可部町
倒木の多いこの登山道に水のない川はあった
岩の凹には過去の潤いを思わせる苔が残っている
岩の隙間には現在の閑寂を思わせる小枝が散乱している
この水のない川に足を踏み込んでよいのだろうか
よいのである
なぜなら
小枝をかき分けるとそこには転生という文字があったから
苔をむしりとるとそこには蘇生という文字があったから
過去・現在・未来という時間の中で
生まれ変わりよみがえるエネルギーを川はもっているのである
だから私は今
小枝の折れる音を行進曲として歩き続けているのである