山に帰す | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

人間は毎日戦っている

見えない敵と戦っている

敵はストレスだ

少年の頃は全く理解できなかったこの敵は

やっぱり僕にも襲ってきた

しかも歳を重ねる毎に強くなりやがる

こいつはいったい何者なんだ?

追求に追求を重ねたがいっこうに分からない

 

僕には前兆があることだけは分かったんだ

まず僕は目が開きにくくなる

多分、極度の睡眠不足が直接の原因だろう

だったら 寝ればいいじゃん と睡眠

敵は予想外にも強かった…

趣味という盾を持ち

癒しというモビルスーツを羽織っても

あいつはなかなかやりやがる…

長い戦いになりそうだ…

 

「俺はまだまだヤレルぜ」という自己啓発新聞を発行し

「若さビームを受けてみろ」と必死応戦

苦労の甲斐があってようさく眠気退散!

しかし敵は新たなる刺客を送り込んだ

 

あごが痛い

 

自分の無能さを恥じ

僕はもう一度自分を見つめなおそうと

山に登った

 

壮絶なる戦いはまだ続いていた

 

☆☆☆☆☆『島国からの贈物』☆☆☆☆☆

 

『山に帰す』

1999年9月12日 広島県芸北町にて

 

あごが痛い なぜか痛い

医者が診ても分からない

与えられたのは鎮痛剤のみ

ストレスとか精神的疲労だとか人は言う

一日睡眠もさほど効果なし

リラクゼーションミュージックもさほど効果なし

 

そんなとき私は山に帰す

 

暗すぎくなく明るすぎくない木々の屋根の下を歩き

鳥声と我が足音以外の余計なものは聞こえず

時折みせる大樹の力強さに感心し

その力強い体に触れ元気をもらう

我の想いたいことだけを想いただ歩く

一人でいる孤独と熊との遭遇に緊張し

時折みせる同志たちに微笑をもらい

あなたも山に帰しているんだなと安心をする

目標に一直線に向かっている我が足を励まし

目標に達した時にだけ飲む水分に幸せを感じ

時折みせる雄大な山容に我を忘れ

この地にいる我のちっぽけな存在を実感する

全てをやり遂げた我にご褒美をと

冷たい湧き水と温かい温泉を身体にくれてやる

時折みせた精神的疲労は身体から放出され

あれほど重かったあごの痛みは退治された

 

私はまた山にあまえたのだ

 

私はまた山を親父と呼んだのだ

 

私はまた山に帰ったのだ