集落の歩む道 | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

人は日々成長しながら生きている

島国だって成長しながら生きている

文明の発達、文化の育成、自然環境の開花

旅を始めて10数年

たったそれだけでの年数でも島国の成長は感じられる

発展途上国から先進国へ

資源の少ない日本は建物を建てることによって世界の仲間入りをした

数少ない資源が無くなるのを恐れずに

 

「昔はもっとよかったんですけどね」

旅人どうしでよくある会話だ

地球を育むための自然を破壊することによって

「円」を生み出す資源になっていたのだ

生きるために遠慮しつつ少しずつ頂いていた地球の力

そんな恩をアダで返すような円獲得が地方でも始まっていった

そこに佇む旅人はこう言う

「環境破壊はもうやめて」

 

そんな思いは旅人のエゴイズムである

都市と地方との貧困差が広がる昨今

地方からは若者がいなくなり

島国特有の文化である助け合いができなくなっていった

残されたものはこの貧困差を縮めるしかないのである

利便性から道路建設、円獲得のための観光力UP

豊かな国日本の均一化には避けては通れない道なのだ

そこに住まない旅人が「僕らの自然を帰して!」なんて言ってもいいのだろうか

地球の偉大な力をたった数時間で感じようとすることが幼稚にさえ思う

 

そんな中「世界遺産」というカテゴリーができ

地方は今変わりつつある

「後世にこの遺産を」という思いが

地方に新たな力を与えている

単なる円獲得のための自然破壊が

伝えるための自然保護に変わってきている

そこには多少の自然破壊が伴ってもいい

きっと地球は島国の意識の改革には寛容でいてくれる

 

地球との対話と調和

それが地球温暖化対策に最も有効な手段ではないのだろうか

『島国からの贈物』

『集落の歩む道』

   2006108日 

   富山県南砺市五箇山合掌造り集落にて

道の途中である人が立ち止まり

ここにとどまろうと決めた

またある人がここにとどまり

となりの人と手をつなぐ

つないだ手はやがて大きな一つの輪に

そして 集落が生まれた

彼らはこの地で糧を育み

この地の気候に遠慮しつつ

ここにある風土を味方につけて家を建て

苦しいときこそ楽しもうと民謡が生まれ

ここにしかない文化が流れていった

集落といっしょに………

 

時が経ち

山奥がゆえに取り残されてしまって

人間の価値観がうすっぺらい紙に変貌し

どんどん輪が小さくなってしまった

失うものばかりになった今

世界が認めてくれて集落が生まれ変わった

 

今からは伝えるために歩んでいこう

今からは残すために歩んでいこう

そう誓い合った小さな輪は

決してちぎれない絆となった

 

生まれ変わった集落

今と昔どちらが生き生きとした集落なのか

そんな疑問はもってはいけない

今も昔も 正しい

これがこの集落が歩むべき道なのだから