広島から上高地へ
長い道のりである
名古屋から松本、新島々は電車
上高地まではバス
半日以上時間かかって辿り着いた
旅の面白さのひとつに『そこに辿り着くまでの時間』というものがある
今から出会う宝物を想像し楽しむ
今から出会うハプニングにウキウキする
この時間が長ければ長いほど僕は自分とお話するんだ
今までの思い出や苦しかったこと、そして今からのこと
自分発見伝は旅があってこそ綴ることができる
それが一人旅なら、もっとよい
上高地の宿に荷物を預け、明神池まで歩いた
ひさしぶりに出会う森たち
せせらぎをバックミュージックに
木々に差し込む光を見上げていた
時折現れる数々の山には圧巻
改めて自分の小ささを実感
天気はあいにくの曇り空
だけど僕は見逃さない
影が創る自然投影術を
はっきり見えないほど想像する力は増大する
明神池で自分に誓いを立てたあと
別ルートで河童橋まで戻る
徐々に広がる青空が栄養ドリンクとなり
つかれを感じさせなかった
『おぉ君はこんな姿だったのか~』
先ほど影だった山々に話し掛けた
自然は時折、じらし作戦で僕たちを魅了する
河童橋に着いた時にはもう夕暮れ
そこには銀色に輝く秋の雲があった
白が銀色に輝くのは
きっと神様の仕業なのだろう
そう気付いた僕は神様にむかってこうお願いした
☆
☆
☆
☆
☆
『島国からの贈物』
☆
☆
☆
☆
☆
『あの雲にのれれば』
2006年9月22日
神様がたったひとつだけ
僕に能力をくれるとしたら
あの雲にのってみたい
あの雲にのって
あの島に降りたってみたい
富士山の頂上を真上から見てみたい
入道雲をよじ登ってみたい
うろこ雲をスキップで渡ってみたい
雷をバックにロックンロールを演奏してみたい
台風の目からスカイダイビングをしてみたい
夕日に照らされ黄金色に染まってみたい
太陽に手が届くかジャンプしてみたい
神様がもうひとつだけ
僕に能力をくれるとしたら
あの雲をわたがしにして食べてみたい