あの雲にのれれば | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

広島から上高地へ

長い道のりである

名古屋から松本、新島々は電車

上高地まではバス

半日以上時間かかって辿り着いた

旅の面白さのひとつに『そこに辿り着くまでの時間』というものがある

今から出会う宝物を想像し楽しむ

今から出会うハプニングにウキウキする

この時間が長ければ長いほど僕は自分とお話するんだ

今までの思い出や苦しかったこと、そして今からのこと

 

自分発見伝は旅があってこそ綴ることができる

それが一人旅なら、もっとよい

 

上高地の宿に荷物を預け、明神池まで歩いた

ひさしぶりに出会う森たち

せせらぎをバックミュージックに

木々に差し込む光を見上げていた

時折現れる数々の山には圧巻

改めて自分の小ささを実感

天気はあいにくの曇り空

だけど僕は見逃さない

影が創る自然投影術を

 

はっきり見えないほど想像する力は増大する

 

明神池で自分に誓いを立てたあと

別ルートで河童橋まで戻る

徐々に広がる青空が栄養ドリンクとなり

つかれを感じさせなかった

『おぉ君はこんな姿だったのか~』

先ほど影だった山々に話し掛けた

 

自然は時折、じらし作戦で僕たちを魅了する

 

河童橋に着いた時にはもう夕暮れ

そこには銀色に輝く秋の雲があった

白が銀色に輝くのは

きっと神様の仕業なのだろう

そう気付いた僕は神様にむかってこうお願いした

『島国からの贈物』

『あの雲にのれれば』

   2006年9月22日 長野県安曇村 上高地にて

神様がたったひとつだけ

僕に能力をくれるとしたら

あの雲にのってみたい

 

あの雲にのって

あの島に降りたってみたい

富士山の頂上を真上から見てみたい

入道雲をよじ登ってみたい

うろこ雲をスキップで渡ってみたい

雷をバックにロックンロールを演奏してみたい

台風の目からスカイダイビングをしてみたい

夕日に照らされ黄金色に染まってみたい

太陽に手が届くかジャンプしてみたい

 

神様がもうひとつだけ

僕に能力をくれるとしたら

あの雲をわたがしにして食べてみたい