いざ、お約束の日。お作りした阿念珠をひっさげ、私も完全防備で伺った。
出迎えてくださったお父さんのお顔は、艶やかでとてもお元気だった事に私も安堵しました。
「あんじゅさん、ありがとう。なぜかあれからよく眠れるんです。知らず知らずに眠りに落ち、気がつくと朝で、深く眠った実感があり、本当に感謝です」
「良かった」三階を浄化したら、更に変わると私は確認していた。
三階に比べて一階は、真反対で、忌み嫌うどころか、陽気があふれ清々しいくらいで、不思議でした。通路や階段には手入れされた観葉植物が飾られ男ひとりのお家とは思えない掃除が行き届いています。「お父さん、綺麗にされてるね」
お父さんは、息子や嫁いだ娘、若い時に家を飛び出した次女が、人生でなんか起き時に、この実家に安心して帰ってくる事ができるように、この家を綺麗に維持して居るとおっしゃったのです。
私は胸が熱くなりました。父はなにがあろうと、
父なんだと。
いざ三階へ。私は三階にお部屋があるのか?と思いましたが、広い屋根裏部屋になっています。
はしご階段をお父さんが下ろしてくださると、
もう立って居られぬほどの妖鬼でした。
「お父さん、これは凄い」
「あんじゅさん、気をつけて、僕ももう何年も気持ち悪くて上がってないです」
「げっ😂」とりあえず上がり、両サイドの窓を開けました。でないと息ができないのです。
まもなく、あちらこちらから、凄い音が聞こえ始めました。観ると約200体はあろうかと思うフィギュアの数です。
これは起きるべきして起きた現象と言えます。
「あんじゅさん、どれが悪いですか?」
「お父さん、あまりの量と、騒音の様な叫び声で、焦点が合わないけれど、目が赤く、体長が60センチくらい。凄い人間に近い姿の物はありますか?あっこれかな?」
「お父さん、思い当たりませんか?」
「実は買った時から、気持ち悪いのがあったのですが、確かに体長は60センチくらいで、この仮面ライダーと同じ姿をしていますが、目が赤くないですよ」
「いいえ、赤いです」
「いや、白いです」
「いいえ、赤いです」
「では、箱をあけてみます。白いですよ」
箱を開けた瞬間「あか〜〜〜」
二人で腰を抜かしそうでした。
「これです。私を睨んでいます。多分もうこの中から出られないと思いので、お父さん処分できますか?」
高価なものだろうから、気が引けましたが言うしかありません。
「まだありますか?」
「金色の丸い頭。口元に縞模様のような感じです」
探すがない。すると風もないのに、ガタッと少し動いた赤い箱。
「お父さん、これ開けて」
「確か、これは金じゃないような」
開けてびっくり、金色の頭のやはり仮面ライダーでした。
「えーこんなのあった事すら忘れてました。他はどうですか?」
「三角形の頭。なんかベロンベロンと紐のような…奇妙な顔😳プレデターに似ています」
「んー。ないですね」それは探せどありませんでした。
お父さんには、この状態で浄化をしても、意味がないので、その200体は優に超えるフィギュアを処分してから、浄化を考えましょうと、二階におりました。
するとなんかぞっとしたので、部屋の奥の棚をみたらドッヂボールくらいの大きさのプレデターの頭だけがあり、私をジロッとみたのです。
「おとーさん。あるやんかー。これ物凄い怖いです。処分できますか?」
「暫くこの部屋にも入ってないので…」
合計3体をその日処分することになったのです。
さぁ終わった。帰ろうか?と思っていると、
「ん?」廊下を次女のミキちゃんが歩いて部屋にはいりました。なんでミキちゃんの幻が?
「お父さん、ミキちゃんの部屋は?」
するとミキちゃんの幻が入って行った部屋を指差したのです。
私は俄かに動揺しました。なぜミキちゃんが居るのかわからなかったからです。
もとミキちゃんの部屋にはいると、
子供の時のミキちゃんが三角座りしています。
「みっちゃん、おばあちゃんと帰ろう」と行っても、ただ「私だけがお父さんに愛されない」と仕切りに呟いてばかりでした。
お父さんにミキちゃんが私だけがお父さんに愛されないとなんども、なんども言うばかりで、動きませんと言うと、お父さんは初めて涙を浮かべて、「それはミキの誤解です。僕はみんな可愛い、平等に可愛いくて仕方なかったです。
ただミキには期待が大きかったので、自分の思いが伝わらない時に暴力をふるいました。若い時に突然家を飛び出し、もう10年会ってないです」10年💦
私は切ない父と娘の姿を見た気がしたのです。
「もう一度、ミキちゃんに会いたいですか?」
お父さんの顔がパッと明るくなり「そりゃ、一番気がかりでしたので、会いたいですが💦ミキが一番僕に似ていて頑固ですから」
私はミキちゃんを思い出して「ほんとにそっくり」と少し笑いました。
また私の仕事が増えます。ミキちゃんにこの事実を伝えなければなりません。
忌み嫌うものを一階に下ろして、処分の準備をしていると、さっちゃんが心配してきました。
「お前ー。車運転して、大丈夫なのか?」私は優しい父の姿を見た。
孫を抱っこしてあやして、ニコニコしているお父さん。これが本当の彼の姿だと思いました。
この家族が元の幸せな家族に戻れる事を私はせつに願います。
憑依された人形をトランクに積むと、なぜかトランクが閉まらなくなった。車に塩を撒き散らし、お父さんは処分に向かい、無事に処分しました。
あの200体のフィギュアを処分したら、再度あの家に向かいます。
後日、ミキちゃんに全ての話をしました。二度とお父さんを許さない、死んでも会いたくないと言っていたミキちゃんが
その時、驚く言葉を出したのです。
「おばちゃんと一緒なら、おばちゃんとなら、
あの家に行って、お父さんに会ってもいい」
10年💦深い溝はなかなか埋まりませんが、
この出来事がお父さんてミキちゃんの親子の一歩であってくれる事を強く強く私は祈っています。
15年前、私はこのご家族にとてもお世話になりました。
またあの時のお幸せな家族に戻って欲しい。
そう願って止みません。
いざ、一歩前へ

