子供の弾むような笑い声はその場所に「陽気」を引き寄せます。
すなわち子供が楽しそうに笑っている声の響くところに力強いパワーが漲ると言う事です。
前項で「大きな社会に出ても悠々と生きて行くには、小さな社会の訓練がとても大切だ」とお話をしました。
今は親御さんにお金の余裕が出来た為、幼い時から「教育熱心」で
英語・ピアノ・体操・剣道・習字等々と習い事も充実しています。
でも教育と私がお話しする「訓練」とは違うと思って下さい。
小さな社会(家庭)での訓練はお金は掛かりません。ただ親の役目を担う人の愛情と、時間がかかるだけです。
ではこの訓練で何を身に付けるのか?
それは「人間らしい心」です。残念ながら高いお金を掛けて習い事をしても、この人間らしい心が身に付くか?と言えば定かではありません。
それは昨今の若者の犯罪を見ると如実にわかりますが、頭(学問においては)優秀ですが、他人とのコミュニケーションを取れなかったり、自分本位で他人の辛さや痛みが解らない、他人の気持ちになって物事を考えられない若者が増えました。酷い時は医学部卒業だと言うのに婦女暴行等で逮捕されたりしている若者も少なくありません。
あの子供達は家庭で「人間らしい心」を培う訓練が小さな社会でなされてなかったと言うしかないのです。頭は良いけれど、人間らしい心が培われていない欠陥人間としか言いようがありません。
学問は大切で、小さい時から知識がたくさんある事は人生において有利です。でも「学問(知識)」と「心問(知恵)」は全く相対する物で違う質です。両者がバランスよく太極でないといけないのです。この両方を確立させて初めて「教育」と言えます。特に心の出来が欠け落ちるとやがて犯罪者になる確率が高いので小さな社会(家庭での環境)が重要ですね。
知恵を養う=陰(家庭環境)。知識を身に付ける=陽(学校や習い事)。この陰陽のバランスが教育には不可欠なんです。
ではどのような家庭環境が「人間らしい心を養しなうのか?」
簡単です。前項で述べました「過ぎたるは及ばざるが如し」
厳しさも・可愛がりも過ぎたるは及んでいないと考えて下さい。
そして子供は「愛される事」が極めて重要です。愛される=尊厳を重んじられる事です。
今日は子供の目つきの変化についてお話します。
お子様が生まれて、子育てが始まりました。でも初めての子育ては、何が正しくて何が間違っているか?を解らずに暗闇を手探り状態で進んでいます。
「家庭環境と子育て①」でお話ししました①と②の家庭も子供を犯罪者に育てようと思って育てていた訳ではありません。きっと世間に名の通るような人間に育てたい、優しい子供に育って欲しい・・と子育てをスタートさせたと思います。
ただ子育ては子供が100人いれば100通りあり「これが必ず良い子に育つ」と言う教科書も無ければ、参考書もありませんので厳しいですが
子供の心が育ち、人間力が備わっているかの結果は約20年後にしか見る事ができないものなのです。
ただ・・・子育ての最中に自分の今の子育てが著しく誤っていたり・・・子供の心が育っていない事が解る現象が必ず子供に現れます。このシグナルに気づき、即座に子育ての軌道を修正できれば、滅多な事で反社会的な犯罪を我が子が犯す事を止める事ができると私は思っています。
子供のシグナル・・・
それは「目つき」です。子供の目つきの変化に親は敏感にならなければいけません。
丁度私が高校を卒業して就職した販売店での出来事です。
6歳くらいの男の子なんですが、よく母親と来店していました。でも先輩たちが口を揃えて言うのは「来た、来た、また来た・・・ダミアン」
※ダミアン・・・昔の映画の「オーメン」に出て来るジャッカルの子、悪魔の申し子の事です。
「ダミアン来たで~~気ぃ付けや~~。あんじちゃん、あいつが来たら気を付けや」
「え?あんな小さい子の何を気を付けるの?」と私は思いましたが、よくよくその親子の行動を見て「そういう事か?」と思いました。
お店を我が物顔で走り回っている子供・・・・全く無視のお母さん。
子供は3歳くらいのよちよち歩きの他人の赤ちゃんの背中をドンと突き飛ばしました。母親は必ず見ていたはずなのに、能面のように顔色一つ変えずに買い物をしています。
お惣菜のコーナーに行くとから揚げや、コロッケを子供がどんどん食べています。私がパートのおばちゃんに「食べたで、今あの子コロッケ食べたで、親に言わないと」と言うとおばちゃんは「あんじゅちゃん・・・言っても無駄、親が親やから」と言いました。
見ているとお菓子も開けて食べてジュースも飲んでいます。でも親は素知らぬ顔。その母親が偶然私のレジに並んだので「あの・・すみませんがお子様がお店の総菜を食べておられたんですが・・・」と言うと、母親は私の顔をちらっと見て無言で「それがどうした?」と言わんばかりに何食わぬ顔をしています。ふとその隣に立っているダミアンの目を見て、私は鳥肌が立つ程ゾッとした。それは黒目が小さくなり上瞼にくっついてシメシメと言わんばかりに私をあざけ笑っていたからです。到底6歳の幼児の目では無く、既に犯罪者の目でした。
親子は食べ物を万引きしなければならないような、生活が困っているようには見えません。子供はブランドのミキハウスの服を着ていましたし、母親はヴィトンのバックと財布、高級な服を着ていました。親子がお店を出て行く僅かな時間も、ダミアンはすれ違う人の籠を蹴る、子供の頭を叩く・・・でも母親は窘める事も、叱る事もしませんでした。
暫くしたある日、店内に奇声・・・超音波のような女性の金切り声が響き渡りました。みんな何事か?と現場に行くとダミアン親子がそこに居ました。
するといつも能面で無表情な母親が鬼の形相でダミアンを殴りつけています。母親の声を一度も聞いた事が無いのですが初めて聞きました
「このクソガキ~~死ねや~~あほか~~お前なんか要らんのじゃ~~」そう叫びながらダミアンを殴る蹴る、髪を引っ張り引きずり倒す。
するとスーパーの籠をダミアンに叩きつけさっさと店の外へ出て行きました。私はびっくりして籠を拾い、ダミアンに大丈夫?と声を掛けると、
(パソコン画像引用)
この眼で私を睨みつけたからです。
すると直ぐに母親の後を追って店外へと消えて行きました。
休憩時間に年配のパートの方が話していましたが、「ダミアンは殴られなれているわ。あんなに殴られても泣きもせん。家でもああやって暴力を振るわれてるねん」
私の先輩が「万引きしても一切叱らないのに・・・なんで怒ってたんやろ?」と言うと
「あぁ・・・お漏らしして服が汚れたんやん」
「え?それだけ?」
「そやろ・・・この服幾らしたと思ってんねん、とっとと便所行けや~~ボケ~この餓鬼~~と叫んでたから、服を汚したんやろ。それにしても口の悪い母親やな・・・どこの極道のおっさんか?と言うような喋り方やな・・・母親があんなんやから子がああなる。この親にこの子ありや・・・」
子供がお店の物を万引きしても平気、でも高いお金で買った服を汚されたり、自分に迷惑を掛ける事をする、または自分の意にそわない事を子供がしたら、半狂乱で叩きのめす・・・そりゃ子供があの目つきになってしまうと私は思いました。
あれから・・・35年、きっとダミアンは40歳を超えていますが、恐らくまともな人生ではない・・・そう思っています。
このお話は極端な例ですが、子供の心の環境が著しく悪いと
必ず「目つき」に出ます。でも・・・直ぐにはダミアンのような目にはなりません。
子供の心の環境が悪いと・・・最初は
①怯える目つき・・・環境が受け止められず辛い時。親の虐待が怖い時。②悲しみの目つき・・・いつも元気が無い目つきに変わります。本気で笑えていない、なにかいつも不安を抱えた目をしています。
③生気のない目つき・・・これは諦めや、好奇心が無くなった時に現れます(過干渉の子供によくみられる目つきです)
④冷めた目つき・・・思いやりや、優しさを無くし始めるとこの目になります。
⑤憎しみに目つき・・・信じるものが何もなくなり、全てが許せず自暴自棄になり始めるとこの目になります。
⑥攻撃の目つき・・・小動物、如いては人間にを痛めつけたくなる時この目つきになります。
子供の心の環境が悪いとこのように現れます。残念ですが
矯正がまだ可能なのは③生気のない目つきまでです。この頃に子供が発する危険なシグナルを親がキャッチして、即座に環境を整えてやると、まだ立ち直る可能性がありますが、④冷たい目つきになり出すと、非行に走る可能性が極めて高くなると言えます。
更に⑤憎しみの目・⑥攻撃の目つきになると実際に暴力や犯罪に加担してしまっている事が少なくありません。こうなると更生が極めて難しく、鑑別所や少年院に入る事も少なくないと思います。この頃に刑事罰を免れても大人になって犯罪を犯してしまう事が多いです。
「コンクリート詰め殺人」は17歳の少年達でしたが「監禁事件」は既に27歳の大人でした。幼少期の小さな社会(家庭環境)の劣悪さは、子供の心を蝕んでしまうのです。
この両者もきっと犯人がもっと幼い時から目つきで親にシグナルを送っていたと思います。でも親が目つきの変化に気づかず、もしかしたらそのシグナルさえも無視をして、子供の尊厳を奪い続けた結果が恐ろしい犯罪に走らせた要因ではないかと私は思っています。
次は、子供の心が育つ家庭環境の在り方とは?どのような環境の事なんでしょうか?「家庭環境と子育て③」でお話ししたいと思います。