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癒しと力強さを秘めたお念珠。この念珠の持ち主は「こうさん」仮名。 もう長いおつきあいです。最初お会いした時から彼を苦しめていた事。 それは奥様との不和。私は彼のお話しを伺い「自分の父と同じだ・・」と 心を痛めました。 奥様の親との同居で気を使う。愛情のない妻。心の癒しは可愛い3人の子供さんだけでした。一度息子さんを連れて阿朱庵にお見えになりましたが、可愛い盛りの息子さんで笑顔が透き通っていらっしゃったと記憶しています。 彼は今まで何度も何度も離婚を考えたのですが、子煩悩でどうしても幼い子供達を置いては家を出る事が出来なかったのです。 奥様は彼と離婚をしても決して自立できる収入はないのですが 長い間彼を蔑ろにして、ご自分の親だけを優先して来ました。 私は彼とお会いした時から「いつかこの日がやってくる・・」とは思っていたのですがやはり彼は「離婚」を選らんだ。 今回・・彼が家を出ようと決意した出来事・・・それは・・・。 彼は以前大病をして少しの間、入院をしていたのですが、もちろん家族が困らないように生命保険に加入しておられたので病気の治療、入院費等は困らず家族には金銭面では一切の負担をかける事はありませんでした。 退院後も職場復帰をして今も治療を続けながら働いておられます。 ただ加入していた保険は5大成人病になった時には一括でその後の治療費として数百万と言う保険金が一括で下りる契約をなさっていたようです。 でも健康でおられると契約内容までは覚えておらず奥様任せの方が多いです。彼も奥様任せでいたようでご自分が病気になった時に受け取れる保険金の額はお知りになっていなかったようです。 ところがある日保険の営業マンの方から保険金を受け取ったかの確認が契約者にありました。その時初めて数百万の保険金が振り込まれている事を知らされたのです。 一家の主が保険に加入する場合、契約者と被保険者が同一である事が殆どです。 彼もそうでした。と言う事は彼が生存して受け取る保険金ですから、 受取人は彼と言う事になります。ところが彼は保険の営業マンに聞くまで一切の受け取りを知らされていなかったのです。 彼は奥様に聞きただしました。すると奥様からは驚く返答がありました。 なんと受け取った数百万の保険金を家の壁の補修工事に全額を使ってしまっていたのです。彼は自分の病気の治療の為の保険金をまして知らない間に家の壁の補修に使われている事に驚愕して奥様を叱責しました。 その家は彼がお建てになった家ですが奥様の親の名義です。彼は「なぜ・・・一言も相談をしてくれない?保険金が下りていることすら教えない?」と落胆しました。その時奥様が吐いた言葉・・・「どうせ私の親が死んだらあんたの家になるんだからいいじゃん」 彼はその一言で「もう暮らせない・・・」と思ったようです。 その後、阿朱庵に「何とか離婚をする方法」をご相談に見えそのお話を私も伺いました。 「こうさん・・・奥様は法に触れているのではありませんか?保険金の受け取りは極めて重要で書面上の受取人以外は受け取ることができません。そうでないと勝手に契約され、被保険者を殺して保険金詐欺なんてざらに起きてしまいます。 本当に離婚をしたいなら弁護士にそのお話しをしてください。離婚理由に絶対になるはずです」 彼は即弁護士のところに向かいました。暫くして彼から「先生、一先ず実家の母のところに帰りました。もう妻の顔を見たくもないです。子供達は 上二人は納得をしていますが末っ子は・・・・泣いて泣いて話をしてくれません・・辛くて自分も涙が出ます」 私は彼に言いました「子供達はいつかお父さんの辛かった気持ちを解ってくれます。こうさん・・・離婚をなさっても親子の絆は切れないのです。 子供達は何があっても貴方の子です。貴方が例え離婚をしてそばに居なくても愛することは幾らでもできるはずですよ。 本当に長い間・・・その環境で耐えてこられたと思います。もう一度自分の人生の為に生きる勇気をお持ちになればどうでしょうか?決断は貴方がなさってください。私が言えるのはこれまでです」 その後裁判を重ね彼は離婚に辿り着きました。裁判の途中で奥様が泣きついて来られたとの事でしたが・・・彼の決心は揺るがなったようです。 もう・・遅い。もっと早くご主人を大切にすることが自分の一番の幸せと、奥様が気づいていたなら・・・こんな事にはなりはしない・・・。 幸い彼の親元は子供達がいつでも会いに来れる近い場所で子供達とも 会う事が出来て問題は無いようでした。 そして彼の素晴らしいところ・・・酷い仕打ちを20年以上繰り返した奥様でしたので慰謝料の請求ができたようですが一切のお金を請求されなかったようです。「先生・・・もう別れられるだけで・・それだけで幸せなんです。ホッとしました。本当に・・・。母もよくしてくれて・・・親孝行して返さないといけないと思います」 彼が離婚をしても子供達が守られるように・・・病気の平癒、これからの癒しと安穏の為に私は天然琥珀の念珠を彼に結びました。 そして彼がお母様に「元気で長生きしてほしい」とお作りになったお念珠です。それはそれは優しい出来栄えで彼のお母さんの優しさが見えるようでした。 「こうさん。お疲れ様でした。これからの人生を自分の為に、多くのお幸せを掴み取って下さい。いつも・・いつも応援しています。山梨の桃ありがとうございました」 私は夫婦は簡単に離婚をしてはいけない・・と思っています。 ところが・・・私の母のような女性は「独り生きるべき」と思っています。 さもないとご主人を蔑ろにして尊厳を奪い取り・・・やがて命を奪うのです。 ですから私は彼に「離婚」を勧めました。 私が彼に強く「離婚」を勧めたのには理由があります。 遠い昔・・・私が小学校2年生の頃です。父と母が喧嘩をして「離婚」の話が出ました。父は子供を自分が引き取ると言ってくれました。 母は金切り声で「離婚なんて幾らでもしてやる~~子供なんか要らんわ~~」と父に息巻いていました。父が「あんじゅちゃん・・・泣かなくていいよ。お父ちゃんと一緒に行くか?」と聞きました。でも幼かった私は「離婚しないで~~家族で暮らしたい~~」と父にすがり泣きました。父は私を強く抱きしめて何も言いませんでした。その後父は離婚を断念し母との暮らしを継続させたのです。 それから数年後・・・・父はあっけなくこの世を去りました。ストレス性の急性心筋梗塞でした。 もし・・・あの時私が両親の離婚に賛成して父を母から解放していれば 父はその後の人生ももっと幸せだっただろうし・・死ぬ事もなかったのではないかと・・・いつか父に会える事が出来れば私の過ちを詫びたいと思っています。 幼い時は両親の離婚は子供にとっては辛い事かも知れません。でも・・・いつも両親が罵り合ったり、いがみ合い、無視しあったりしている姿を長年見続けるよりは、片親でも凛と生き抜く姿を見せる方が私は子供にとって良いと思っています。それが証拠に私が大人になってから「なんであの時離婚に反対してしまったのか?」と父の不幸を思うと涙が出たのです。 例え離婚をしようとも「子の父」の役目を子が成長するまで責任を持って果たせば子供は「親も生身の人間」で、両親の哀愁を理解をすると私は自分の経験からそう思います。 離婚は簡単にしてはいけない・・・でも別れるべき時は決断をする。 それは・・・やがては多くのお幸せに繋がると私は強く思います。 |