こんばんは、酔っ払い管理人です。
予告していた通り、年明けてすぐに佐賀に出張に行っておりました。
正月ぼけ?でしょうか、体が重い・・・。
いや、正月ボケではなくて、正月太りだ!
顔は少しふっくらと、太ももがちょいと窮屈。
おなか周りが・・・・・・・・・・。
ヤバイっす。
しかし、佐賀に出張中。
東京よりも、食べ物が旨い。
出張中はホテルに閉じこもって、おからクッキーや春雨ヌードルなんかで腹を満たすつもりだったんだけど、いろんな誘惑に勝てず、減るどころか増えたかもしれません。
恐いので体重計には乗れず、いまどれくらいなのでしょうか?
休日は、ビリーに励みます。
さて、その佐賀出張中にとんでもない酒に出会ってしまいました。
場所は、繁華街での小さな一杯呑み屋。
例によってお店の名前は明かせませんが、佐賀の繁華街のどこかです。
お店に行ったのは12月5日以降ですから、1ヵ月ほどのご無沙汰です。
年始の挨拶を果たし、大将から満面の笑みで
「入りました!」と言われ出された酒がこれ!
万齢 純米大吟醸 小松大祐 16度~16.9度
きゃぁぁぁぁ~。
悲鳴をあげてしまいました。
万齢を醸す、小松酒造の最高級品。
しかも、オーナーの名前を冠したお酒です。
ひとつだけ、重要な注意点。
この酒は一般流通していないお酒です。
それこそ、小松酒造さんが持てる技術の粋を集結した出品仕様酒。
ラベルにも「超特別限定品」の文字が!
お店の大将からも、特に念を押して言われました。
一般流通してないからね、問い合わせても手に入らないって、必ずブログで説明するようにとのこと。
なので、読者の皆さん。
この酒を呑みたければ、佐賀の地に行ってお店を探すしかありません。
ホントにその気のある人は、酔っ払い宛ににメールください。
佐賀出張の折に案内しましょう。
それ以外、呑めません! あしからずご了承ください。
そんなわけで、このお酒を目の前にぶらさげられたからにゃぁ、呑まずにはいられない!ショットでも結構しますので、一杯ずつ味わっていただきます。
グラスに注がれる酒。
芳醇な吟醸香の中に、少し麹の匂いが残っているかのような米臭さがあります。
一口呑んでみた。
「うおおぉぉぉ~」思わず口から漏れる感嘆の叫び声!
となりで呑んだ大将は
「ひょほほほほぉほぉほぉ」と思わず笑いが漏れています。
いや、もうこれ、叫ばずには、笑わずにはいられない。
口に含んだ瞬間のお酒の旨味がはじける、例えるならばビックバンのよう!
フルーティーと言ってしまえばそれまでで、メロンやデリシャスリンゴのような味わいなのですが、それも普通のお酒のレベルをはるかに超えています。
味わいというよりも、果物そのものを口に含んだよう。
口いっぱいに果汁があふれるあの感覚です。
これがほんとうに米からできたお酒なのだろうか?
甘く華やかな果汁を呑み込むと、後味は果物の芳香のみを残しながら、未練残さず潔く切れる切れ味をもって終わります。
ナンボでも呑めそうです。
そういえば、日本酒の不思議として、フルーティーな吟醸香がなぜ出るのかということがあります。
これは、私調べてみました。
通常、お酒の発酵とは、米のデンプン質を麹が分解して出来た糖を清酒酵母がエネルギーにしておこる現象です。
しかし、その清酒酵母が好む窒素化合物やビタミン類などは、米の外側に多く含まれ、中心部にいくに従って少なくなっていきます。
大吟醸のように、精米歩合を40%にまで磨いた場合、デンプンばかりとなってしまい、酵母の栄養素は少なくなってしまうとのこと。
さらに、発酵温度も限界の摂氏10度以下という低音にして、清酒酵母の活動をギリギリまで抑えて、一種の飢餓状態を作り出すのです。
さて、こうなると、清酒酵母は実に困った事になります。
寒さのためにブルブルと震えながら、食べ物も毎日少しずつしか溶けてこないので毎日空腹の状態でしょう。
しかし、このままでは死んでしまうから、何とかして生きるためのエネルギーを作り出さなければなりません。
そこで、清酒酵母は追い込まれた最終手段の、伝家の宝刀を抜くことになります。
芳香エステル生成系(細胞膜に存在していて、果物の芳香エステル成分を生成するアルコールアセチルトランスフェラーゼという酵素)を回転させてエネルギーを造り始めるらしいのです。
そのまま全くエサがなければ酵母は死んでしまいますし、逆にエサが豊富にあるとヌクヌクと活動して、伝家の宝刀を抜くこともありません。
絶えず愛情をもって労わりながら、常にギリギリの状態を保つことがお酒のポテンシャルを最大限に引き出す秘訣なのです。
そう考えると、このお酒。
どこまでギリギリの状態だったのだろうか。
米、麹、酵母、全てのエネルギーをを余すことなく引き出しています。
そのエネルギーが風味となり、混然となって凝縮されたエキスです。
最初、ものすごく繊細なお酒だと思ったのですが、それだけではありません。
繊細かつ、力強い呑んで良し、合わせて良しのお酒だったのです。
お酒を呑んだ後の切れ味がすばらしく、いろんな肴を合わせてみたのですが、抜群です。もちろん、塩辛やタコなどの定番には申し分なし。
おでんという、どちらかというと熱燗か焼酎の合う肴にも、抜群です。
料理の味をその力強い芳香と果汁で洗い流してくれ、口の中をリセットしてくれます。
そして、最大の特徴といえるのが、呑んでしばらくたつと、口の中に唾液がじゅぅわぁ~っとあふれてきます。
まるでパブロフの犬のように!
人体の不思議なのでしょうか?
食欲を刺激し、口中をリセットしてさらに肴を進ませる、神か魔物が作ったようなそんなお酒でした。
うーん、困った。
多分体重増えた!
ちなみにこのお酒、何度も言うようですが、一般流通してませんし、ネットでも情報はほとんどありませんので。
【データ】
精米歩合 38%
酵母 18BY
日本酒度 +4.0
アルコール度 16度~16.9度
全量山田錦