僕らのうた side A | 嵐さんに愛を叫べ

嵐さんに愛を叫べ

相葉くんと櫻葉さんが大好き!です

モデルズも大宮さんも、その他CPも登場します。

腐ってますので、ご理解のあるオトナのお嬢さまのみ、自己責任でご覧ください。
男性と思われる方、商業目的と思われる方の読者申請、コメントは削除させていただきます。




「リンー!お待たせ!お散歩行くよー!」


今日は久々に5人で集まる日。

この間、おーちゃんに会ったのはいつだったっけ?なんて思いながら靴紐をぎゅっと結んだ。


メッセージは毎日、やり取りしてるけど、会えるとなるとまた話は別で……


どうしたってテンションが上がっちゃって、落ち着かない。



……けど



小さな川のほとりをリンとのんびり歩く。


いつから、なんだろう。

会うと楽しい、よりも切ない気持ちの方が増えてきたのは。

いつから、なんだろう。

あの人が、彼を見つめていることに気がついたのは。


小さくて、可愛らしくて、おれとは正反対の彼。



「わー、リン、見て見て!お魚、今日も沢山いるねー」


だけど、彼が好きなのは……



「いっそのこと、あのふたりがくっついちゃえば良いんだよね」


土手にしゃがみこんだおれの横にリンもちょこんと座って、心配そうにおれを見上げる。


「おーちゃんと、ニノちゃんが付き合っちゃえばさ……」


近くにあった石を拾って、川にぽちゃんと投げ入れる。


本当は、そんなの嫌だけど。

でも、おーちゃんが悲しむ姿は見たくないし。



それに、おれはずるいから。



『それでもいいよ』ってしょーちゃんが笑ってくれるから、その優しさに甘えてるんだ。


なのに、いつも……しょーちゃんの腕の中で想うのは、おーちゃんのこと。


小さいけど、いつもふにゃんとしてるけど、真ん中には誰にも負けない強さを持ってる男らしい人。



「おはよー」


「あ!おーちゃん、今日は早いじゃん!」


その姿に、やっぱりテンションが上がるのは隠しようがなくて。


 

「今日は早く目が覚めちゃったんだよ。おぉー、翔くんもう来てんのか」


「智くん、おはよ」


おーちゃんの声にドキドキして、しょーちゃんの声にもドキドキして。

かき集めた楽譜を胸にぎゅっと抱きしめた。



「あー、相葉ちゃん、明日ひま?」


「え?うん。暇だけど、なんで?」


「明日、真鯛釣りに行くからさ、釣れたら持ってくよ」


「ほんと?!超楽しみ!」


料理するのがおれと松潤くらいしかいないからって、それだけの理由でも、こうやって声をかけてもらえるのが嬉しくて。



「はよー。なに、大野さん。また釣り行くの?」


「おはよ、にの」


「真鯛、釣れたら持ってきてくれるんだって」


「へぇー、じゃあ、相葉さんに食べさせてもらお」


「にのも料理したらいいのに」


「めんどくさいもん」


にっこり笑うニノちゃんを見るおーちゃんの、優しい笑顔に胸がとくんってなって、ちくんって痛む。



「わぁ!ちょっと!リン!危ないよ!」


急に足元に走り寄ってきたリンに驚いて、よろけたおれをおーちゃんの手が支えてくれた。


「大丈夫?」


「う、うん……だいじょぶ」


慌てておーちゃんの腕の中から身体を離して、強ばる顔を必死に笑顔に変えた。



「あーあ、楽譜ぐっちゃぐちゃ」


「こら!リン!相葉ちゃんが怪我すんだろ!」


ニノちゃんの丸っこい可愛い手が、さっき、おれが放り投げて、ぐちゃぐちゃになった楽譜を床の上で丁寧に広げた。

ニノちゃんの前にしゃがみこんだおーちゃんが、リンを抱き上げて、2人で何か言ってから笑い合う。


ほら、あのふたりはお似合いなんだよ。

なのに、おれの心はチクチク痛むんだ。



「手伝うよ」


「ありがと、しょーちゃん」


背中にそっと触れたしょーちゃんのぬくもり。

腕に残ったおーちゃんのぬくもり。



どっちもなくしたくなくて、同じところから動けないでいるおれは……やっぱりずるいんだ。








next >>>> side O