「櫻井くん、お風呂どうぞ。お皿は僕が洗うから、そこに置いておいて?お風呂場にタオルと新しい下着出してあるからね」
食べ終わって、食器をシンクに置いたところで相葉さんも立ち上がる。
「でも……」
「櫻井くんは、お客様なんだからさ。それに僕、さっきまで寝てたから、やたらと元気だし……」
夜中にご飯作ってもらって、片付けもってさすがに悪いかな、とか
けど、きっと俺が先に風呂に入らないと相葉さんは入らないんだろうな、とか
どうしたらいいかなって悩んでいたら、相葉さんが腕まくりをしながら、二宮さんみたいにニヤリと笑った。
「それとも、一緒に入る?」
そんな顔もするんだなって見とれていたら、なんて言われたのかを理解するのに、一瞬の間が必要だった。
ん?『一緒に入る?』って、何に?
って、風呂に?!
「は……はぁ?!入らねぇし!!!何言ってんの?!ばっかじゃねぇの?!」
相葉さんと風呂とか、想像しただけで色々やばい。いやだってほら、俺だって健全な青少年なわけだし。
くふふふふふふって笑っている相葉さんを睨んでから、ふたつ並んだドアのひとつを思いっきり開けて、止まる。
「トイレだし!」
そう叫んだ俺の後ろで、また相葉さんが盛大に吹き出した。
お腹を抱えて笑う相葉さんをもう一度振り返ってから、もうひとつのドアを開ける。
「お風呂、先にいただきますっ!」
「くふふ、うん。ごゆっくり」
相葉さんの優しい声を背中で聞きながら、ドアを閉めた。
笑ってた。
相葉さん、めっちゃ笑ってた。
それが嬉しくて、顔がにやける。
洗濯機の上にきちんとたたまれて置かれている、タオルと着替えにも、また、にやける。
やっぱ、これでいいじゃん。
こうやって、くだらないことで笑ってさ。
昔のことなんて思い出す暇ないくらいに、笑ったらいいんだ。
普通に考えたら、まだ相葉さんだって、これからの未来の方が長ぇんだからさ。
今までの分はこれから、挽回したらいいじゃねぇか。
「まずは、明日だな」
よし、って気合を入れてから、Tシャツとセーターを一気に脱ぎ捨てた。