Hope in the darkness 9 | 嵐さんに愛を叫べ

嵐さんに愛を叫べ

相葉くんと櫻葉さんが大好き!です

モデルズも大宮さんも、その他CPも登場します。

腐ってますので、ご理解のあるオトナのお嬢さまのみ、自己責任でご覧ください。
男性と思われる方、商業目的と思われる方の読者申請、コメントは削除させていただきます。



「ショウ、どうした?」


バザルを出てから、ずっと黙り込んでいるショウをサトシが振り返る。


「え?あぁ、いや……


唇を指で触りながら、ショウが視線を泳がせた。

サトシなら、なんて言うだろうか?



「狼だけが悪いの、かな……


「違うだろうね」


「え?」


ショウの呟きに、間髪入れずに答えたサトシに驚いて、ショウは顔を上げた。

そんなショウに、聞いておいて驚くってなんだよ!と、サトシが苦笑する。



「狼だって、生きるために動物を襲うんだ。それが家畜だろうとなんだろうと、狼には関係ないだろ。森の中の茂みに隠れているウサギと、のんびりと柵の中で寝ている羊、俺が狼なら柵の中の羊を襲うね」


その方が簡単だもん、とサトシが笑う。


「そうか……そうだよな……


「人間だって、狼にしてみたらご馳走なんだよ。丸腰だったら足も遅いし、格好の餌だよな。

人間が食物連鎖の頂点に立っているってのは、勘違いもいいとこだ。

知恵と道具を使えるから、何となく上にいるって思えるだけなんだよ」


サトシの言葉に、背筋を冷たい汗が伝うのを感じて、ベルトに刺した短剣をそっと撫でる。



「人間の生活を脅かすものが害獣、だろ。けど、獣たちは昔から、なんも変わっちゃいないんだよ」


サトシが森の方を見つめながら、ずっと見てきたことのように静かな声で言う。



それが『真実』なら……


排除されるべきは狼じゃなくて、人間じゃないのか?


急に喉が渇いた気がして、ショウはごくりと唾を飲み込んだ。



「どっちも命をつなぐため、身を守るために手を下すのは仕方ないよ。

赤ずきんだって、身を守るためにやったんだ。もし、何もしないまんまだったら、ショウはここにいないしね」


そう言いながら足を止めてしゃがみ込んだサトシの隣に、ショウもしゃがみ込んだ。



「こっちにいるね」


サトシの指が、シロツメクサの緑の葉の上に光る赤い小さな点を指さした。

蓬(よもぎ)の葉をちぎったサトシが立ち上がる。



「行こうか」


「え、行くって、どこに?!」


  歩き出したサトシに、ショウも慌てて立ち上がった。



「会ってみたらいいんじゃない?」


「会うって……誰に?」


緑の葉の上に光る赤い点。

穏やかな風にのって微かににおう、獣のにおい。

そのにおいに心臓がどくりと音を立てて、足が止まる。



「どっちか、分かる?」


「え?」


「ショウなら、分かるだろ?」


狼の行方なんて、俺にわかるわけないだろって答えようとしたのに、サトシが真面目な顔でまっすぐ見つめてくるから、開いた口をそのまま閉じた。



どうして、なんだろう。

何故、サトシは『俺なら』分かる、なんて言ったんだろう。



……そして、どうして俺は……



……こっちだ」



サトシの視線から逃げるように背を向けて、においのする方に歩き出した。






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