相葉さんの腕の中はあったかくて、居心地が良くて。
あぁ、相葉さんが戻ってきたって思ったら、安心したのか、なんだか急に腹が減って……
腹減ったって言ったら、相葉さんが思いっきり吹き出した。
いや、俺だって、このタイミングで?!って思うけど。
「成長期なんだよ!」
さすがに、俺もちょっと恥ずかしい。
恥ずかしいけど、相葉さんが笑ってくれたからチャラだ。
ナイスだ、俺。
「ふふ、うん。何かあったかな。すぐ作るから待ってて」
「スイマセン。お願いします」
すげぇ優しい顔で笑いながら、相葉さんが俺の頭をくしゃって撫でて立ち上がった。
うん。
その笑顔がやっぱり似合うよ。
その笑顔が、好きだよ。
だからさ、もっと笑おうよ。
俺に出来ること、なんか考えるから。
「はい、お待たせ」
「うまそ!」
アツアツの雑炊をふーふー冷ましながら、そう言えば、明日はバイトも休みだなって思い出した。
相葉さん、予定あるかな。
さっき、車の鍵持ってたし、車があるなら行ける場所もかなり広がる。
って、俺が運転するわけじゃないけど。
「相葉さんさ……明日ってか、もう今日か……
今日って暇?」
俺の言葉に首をかしげながら、特に予定はないって言う相葉さん。
だったら、俺と、いっぱい笑おう。
「じゃあさ、付き合ってよ、俺に。連れて行って欲しいとこ、あるんだ」
「……わかった」
仕方ないなって感じで、笑いながら相葉さんが答える。
子どもの頃の楽しい思い出が少ないんなら、今からたくさん作れば良くねぇ?
してこなかったこと、今からしたっていいんじゃねぇ?
そう思うのは、俺がガキだからかもしれないけど。
けど、ガキにしかできないやり方がきっとあるんだ。
相葉さんには、なんの役にも立たないかもしれないけど、それならそれで、馬鹿な奴がいたなって笑ってくれたらそれでいいや。
どうしたらいいのかわかんねぇとか、俺には何も出来ないとか、泣いてたって仕方ない。
一緒に沈んでどうすんだ。
そんなの、俺らしくねぇだろ。
「あっつ!!」
「気をつけてね」
何も考えずに運んだスプーンが熱くて驚いたら、目の前で相葉さんが優しく笑う。
「相葉さん、これ、めっちゃ美味い。グラタンも美味かったし、これも美味い」
「くふふ、櫻井くん、なんでも美味しいって言うじゃん」
「美味いもんは美味いんだから、仕方ねぇだろ」
美味いもんは美味いし、好きなもんは好きだ。
どんな相葉さんでも、やっぱり好きだ。
「うめー!」
また叫んだ俺に、相葉さんがくふふって、楽しそうに笑った。