「それ、食ったらバザルに行こ」
「サトシ、今度は何を探してんの?」
「人魚の鱗」
向かいの席に座ってパンを齧るサトシを見つめて、ショウがため息をつく。
「……サトシ、また変なモン掴まされるぞ」
サトシが目だけを動かして、ショウを見てから、にっこりと笑う。
「変なものかどうかは、俺が決める」
「はいはいはい」
サトシの言葉に、肩を竦めて苦笑する。
『人魚の鱗』なんて、何に使うんだか。
サトシがバザルで欲しがるものは変わったものが多くて、いかにも怪しげな雰囲気のテントに入るのが、少し怖くもあり、楽しみでもあった。
食事を終えて、ケープに手を伸ばして止める。
「……?」
ケープについた銀色の毛。
「ショウ?」
「あぁ、ごめん。今行く」
なんの獣の毛が飛んできたんだろう?と首をひねりながら、ケープを肩にかけた。
「なんじゃ、また男ふたりで出かけるのか」
「じぃちゃん、うるさい」
「行ってきます」
奥の部屋から顔を覗かせたじぃ様に、ぺこりと頭を下げてサトシと並んで歩き出す。
「そろそろいい娘を見つけろって、うるさいんだよ」
口を尖らせて、サトシが言う。
「いないの?」
「興味ないよ。めんどくさい。そういうショウこそ、どうなんだよ」
「俺?俺は……」
一瞬、答えに躊躇う。
「いないよ。俺、あの村から出たい」
「え?」
サトシが驚いた顔でショウを見上げた。
「なんか、あそこにいたらいけないような気がするんだ」
何故か、なんて理由はわからないけれど、ずっと感じていた違和感…というか、疎外感。
村にいると感じる、見えない壁のようなもの。
「そっか……じゃあ、俺と旅にでも出る?」
んふふって、楽しそうにサトシが笑う。
「それもいいかもなぁ」
サトシにはじぃ様がいるから、そんなのは例え話だって分かってはいるけれど、ショウのためにそう言ってくれるサトシの気持ちが嬉しくて、笑う。
『キミには、知る権利がある』
「……え?」
急に立ち止まったショウをサトシが振り返る。
「どうした?」
「あ、いや……」
誰の声、だったんだろう。
「やっぱ、森でニュンペーに会ったんじゃないの?」
「ニュンペーに会ってたら、ここに居ないって!」
にやりと笑ったサトシの背中を追いかけて、バザルの人混みの中に飛び込んだ。
コピペする時にウトウトしちゃったら、メモが消えた上に意味不明な文章が入力されてて、超焦った~( ̄▽ ̄;)
あいほんフリフリして直前の動作キャンセルで無事復活しましたが……いやぁ、危なかった( ̄▽ ̄;)