「相葉くんって、すごい人気あるんだね」
自分でもアホか!って突っ込みたくなるような言葉しか出てこなくて、余計変な汗が出た。
左側から、くふふふふふふって、楽しそうな笑い声が聞こえる。
「そうなんです。トップアイドルなんですよ『相葉雅紀』って」
「それなのに、知らなくて……ごめんね」
「うううん。嬉しかったんです、僕」
「え?」
予想外の答えに驚いて、助手席を見たら、俺を見てふんわりと笑う。
「『相葉雅紀』じゃない僕にも、櫻井さんは親切にしてくれたでしょう?本当に心配してくれてるのが分かったから、すごく嬉しかったんです」
「え?だって、相葉くんは、相葉くんだろ?」
「くふふ、うん……そうですね」
何が面白いのか、くふくふと笑い続ける。
「ところで……相葉くんっていくつなの?」
「え?」
「いや、ほら……酒飲めるか飲めないかで、店変わるじゃん」
「あぁ!……って、えぇ?!」
今度は相葉くんが驚いて俺を見た。
「櫻井さん、僕のこと何歳だと思ってるんですか?」
黒目がちな目が、楽しそうにキラキラと輝く。いろんな表情ができるのも、相葉くんの魅力なんだろうな、なんてそんなふうに思いながらハンドルを回す。
「ハタチそこそこ、かなって……」
「えぇー!僕、もう25なんですけど!」
「えっ……25?! 」
「はい。えっと、櫻井さんは?……2つ上、くらい、かな?」
信号が黄色になって、減速して止まる。
横を向いたら、相葉くんも俺を見て笑う。
「うん……1月に27になるよ」
「あ、じゃあ……櫻井さんは僕のひとつ上、ですね。僕、今月、26になります」
「マジで?!じゃあ、相葉くんの誕生日から俺の誕生日まではタメってこと?」
「あ、ホントだ!僕の誕生日から櫻井さんの誕生日までは、ふたりとも26ですね!」
「嘘だろ?!なんだかいろいろショックだな」
そう呟いた俺に、相葉くんがまた、くふふふふって楽しそうに笑った。