「明日は?」
キスを繰り返しながらおーちゃんが言う。
「や、休みっ…んっ」
「俺も、休み」
ちゅって音を立てて唇を離して、早く上がれよって笑う。
「も、もう!入れてくれなかったのはおーちゃんでしょ!」
ぽかって腕を叩いたら、んははって楽しそうに笑って、ほらって手を伸ばしてくれる。
その手につかまって、靴を脱いだ。
「今日ね、ロケでそら豆たくさんいただいたの。お母さんに教えてもらったレシピで美味いの作ってきたからさ」
「まじか!」
「くふふ。あとね、鞘ごと焼くとめっちゃ美味いんだよ!」
「じゃー、刺身と一緒に食って飲もう」
キッチンに向かいながらカバンをごそごそして、タッパーと、袋に入れたまんまのそら豆を取り出した。
おーちゃんが横に立って俺の手元を覗き込む。
「これは鞘ごとグリルで焼くだけだから。こっちはチンしたらいいだけだし」
「じゃ、刺身切る」
「うん。お願いしまーす」
グリルにそら豆を突っ込んで、隣で真剣に刺身を切り分けているおーちゃんの背中にそっとくっついた。
「うぉ」
おーちゃんが声を上げたけど、おーちゃんがこんな事で驚いたりしないの、知ってるもん。
照れ隠し、だよね?
おーちゃんの肩に顎を乗せて、綺麗な手が動くのを眺める。
「おーちゃん」
「ん?」
「おーちゃん」
「んー?」
「何でもない」
「何だよ」
おーちゃんが笑って、おーちゃんの肩が揺れる。
無防備な首筋に、ちゅって、キスをした。
「あ、こら。何すんだ」
「いいじゃん、ちょっとくらい」
「ちょっとくらいでも、ダメ」
おーちゃんが切り終わった刺身を皿にのっけて、まな板と包丁と手を綺麗に洗い終わるまでそのままくっついていたら、お腹に回していた手におーちゃんの手が重なった。
「襲いたくなんだろ、バカ」
「くふふ」
振り向いたおーちゃんが、俺の後頭部に手を回して、あと少しで唇が触れるって時に、グリルのタイマーが鳴った。
一瞬だけ唇を合わせて、おーちゃんの手から逃げる。
「できたよー、食べよ?」
口を尖らせたまま、おうって返事をして、おーちゃんが冷蔵庫からビールを取り出した。