いつもよりだいぶ早い時間の電車に乗って、雅紀にこれから帰るよってメッセージを送った。
『もうちょっとで下ごしらえ終わるから、後で行くね!』
一旦、家に帰って荷物を置いてから、雅紀の家に迎えにいくよって返信する。
きっとまた、デカいカバンにいろいろ詰め込んでくるんだろうし……
『しょーちゃん疲れてるでしょ?』
「行くから」
『じゃぁ、待ってる』
そんな短いやりとりにすら、ココロが弾む。
雅紀もそう思ってくれてるだろうか。
紙袋の中の綺麗にラッピングされた小さな包みと、もう一つのでかい紙袋の中を覗いて、小さくため息をついた。
今日、大丈夫かな、俺。
雅紀に会ったら、抱きしめてしまいそうだけど。
その考えを追い出すように頭を振って、ぎゅって目を閉じた。
「しょーちゃん!おかえり!」
やっぱり、な大荷物を抱えて、雅紀が階段を降りてきた。
「おぅ、ただいま」
会いたかった満開の笑顔に、それだけで体の奥がほわっとあたたかくなる。
後部座席にでっかいカバンを置いて、助手席に雅紀が座った。
「しょーちゃん、おかえりなさい……あー!なんかもう、久しぶりすぎて、恥ずかしい!」
俺をチラッと見てそう言って、両手で顔を隠す。
「え……なんだよ、恥ずかしいって」
雅紀の予想外の言葉に、笑いながらそう言えば、指の隙間からこっちを見てる黒目と目が合った。
「……だって、しょーちゃん、かっこいいんだもん」
これまた予想外の答えに、思わず吹き出した。
「なんで笑うの?!ホントのことなのにー!……あ!」
何かを思い出したらしい雅紀が、今度は両手で口を押さえた。
「どした?忘れ物?」
「うん。ちょっと待ってて?」
シートベルトのロックを外した雅紀が、何故かドアじゃなくて俺の方へ身を乗り出した。
一瞬、左の頬に触れて離れた雅紀が笑う。
「おかえりなさい、のちゅー」
「おまっ……」
「はーい、しゅっぱーつ!」
くふふふふって楽しそうに笑いながらシートベルトを締めた雅紀がそう言うから、ギアをドライブに入れて車を出発させた。