「うわ!うまそ!」
鍋まで持参してきた雅紀が、どんどん料理を仕上げて、テーブルの上には、豚汁、鯖の味噌煮、蓮根のきんぴらに浅漬けってまさに和の献立が並んでた。
「これ、全部雅紀が作ったの?」
「うん。思いっきり和食!ってのがいいかなーと思って、ちょっと頑張っちゃった」
食べよ食べよ!って雅紀に促されて、いただきますって箸を取った。
「うんまっ!」
「ほんと?良かった~。たくさん食べてね。愛がたぁーくさんこもってるからね?」
雅紀の言葉にうぐってご飯が喉に詰まりそうになって、慌てて豚汁を飲んだ。
「……心していただきます」
「くふふふふ。たくさん召し上がれ♡」
ほんと、いい嫁さんになるよなって言いかけた言葉を今度は鯖の味噌煮と一緒に飲み込んだ。
「しょーちゃん、明日って何時に出るの?」
「あー、10時くらいには出ないとダメだな」
「そっか……じゃあ、朝ごはんは豚汁とおにぎりとかでいい?」
「え、朝メシも作ってくれんの?」
「俺がしたいの」
「マジでお土産リクエスト、リスト送れよ?」
そう言った俺を見て、汁椀から手を離して豚汁を見つめたまま、雅紀がぼそっと呟いた。
「しょーちゃんが帰ってきてくれたら、お土産なんて要らないんだけどな」
掴んだ鯖の味噌煮がぽろりと落っこちて、箸を置いて、意味もなく咳払いをする。
「あの、なんだ……俺もしたいんだよ、雅紀に。いつも色々してもらってばっかで、お礼しようにも俺、何もできないしさ……」
「え、俺の方こそ、しょーちゃんには色々してもらってばっかりなんだよ?」
「……何もしてねぇよ」
俺の顔を見て、雅紀が堂々巡りになっちゃうねって、くふふふふって笑う。
「えーと、じゃあ、色々見てから、リスト作って送ります」
「ん」
また俺の顔を見て、くふふふふって笑った雅紀が、豚汁に口をつけて、あっち!って小さく叫んだ。