「何、してんだろうな……」
見えた風景に、ふわふわしてた気持ちがしぼんでいく。
水着のギャルに囲まれてる、雅紀。
初めてココであった時もそうだったじゃないか。
チャラチャラしてんなって、そう思ったじゃないか。
昨日、結構飲んだ割には目覚めが良くて、身体もスッキリしてて……
ワイシャツ洗ってもらうし、飯食いに行くなら車の方が楽だろって……そう思った、だけ。
俺が勝手に来ただけだ。
「って、誰に言い訳してんだよ、俺は」
頭をガシガシ掻いて、車に戻ろうと踵を返した。
「しょーちゃん!」
聞こえた声に振り返る。
「やっぱり、しょーちゃんだ!!!!」
砂を蹴散らしながら、雅紀が猛ダッシュで走ってくる。
ギャルたちが見てるけど……なんならもう、睨まれてるような気もするけど……
走ってくる雅紀を受け止められるように身構えた。
「しょーちゃん!!」
「ちょ……!」
有り得ないだろって勢いで突っ込んできた雅紀と一緒に、砂の上に転がった。
遠くでギャルたちの悲鳴が聞こえる。
「お前なぁっ!『加減』って言葉を知らねぇのか!」
「いたーい!くふふふふ、しょーちゃんだ」
ぎゅうって、俺の腰に手を回して、肩にぐりぐり、おでこを擦り付ける。
「ホンモノの、しょーちゃんだ」
「ニセモノなんているわけないだろ」
「俺、しょーちゃんに会いたすぎて、マボロシ見たのかと思ったもん」
「人をオバケ扱いすんじゃねぇ」
よいしょって立ち上がった雅紀が、俺の手も引いて起こしてくれる。
「くふふふふ。砂だらけだね」
「誰のせいだよ」
ぱんぱんって、砂を払ってにっこりと笑う。
「今日はひとり?」
「ん。雅紀は何時まで?」
「え!もしかしてしょーちゃん、迎えに来てくれたの?てんちょーに帰っていいか聞いてくる!」
走り去りそうになった雅紀の腕を慌てて掴む。
「こら。仕事はちゃんとしろ。そんなことすんなら、今すぐ帰るぞ」
「え!やだ!しょーちゃんとデートしたい!」
「じゃあ、ちゃんと時間まで働いてこい。待っててやるから」
「ほんと?ホントのほんとに?」
「約束、な?」
差し出した小指に、雅紀の小指が絡まって……絡めた小指に、雅紀がちゅって、音を立ててキスをした。