相葉さんの顔が近づく。
ありえないだろって思うのに、動かない、身体。
あと数センチ。
……あと、1センチ。
思わず、ぎゅって目をつぶった。
ごちん
「いてっ」
頭突きされたおでこを擦りながら目を開けたら、相葉さんが口を尖らせて俺を見ていた。
「しょーちゃんは、隙ありすぎ!」
「えっ……」
隙も何も……相葉さんが仕掛けてきたのに。
「それとも……して欲しかったのかなぁ?」
指を唇にあてて、にっこりと微笑んでから、真顔になった。
「気をつけなよ?しょーちゃん。いろんな人にホイホイくっついて行っちゃダメだかんね?」
「……はぁ……」
「俺だけにしなよ?」
「は?」
「逃げないってことは、そういう事でしょ?」
「……う……」
痛いところを突かれて、言葉をなくす。
なんで逃げないんだって、自分でも思うのに。
嫌ならぶん殴って出ていけばいいだけの話、なのに。
そうしないって事は、さ……
少なからず、そうなってもいいって思っているというわけで……
いやむしろ、相葉さんの唇にもう一度触れたいとか、そんな風に思ってたりもするわけで……
ごん!
今度は自分で、テーブルにおでこを打ち付けた。
「ちょっと!テーブル壊れる!」
あひゃひゃって笑って、相葉さんが俺の頭をがしがし撫でた。
「ごめんね?しょーちゃんかわいいから、つい意地悪言いたくなっちゃうんだよね」
「……かわいくないっす」
テーブルにおでこをつけたまま答える俺の頭のてっぺんに、相葉さんがちゅって、キスをした。
「かわいいよ、マジで。襲いたくなるくらいかわいい」
「おっ……おそっ……?!」
顔を上げた俺に、相葉さんがまたにっこりと微笑んだ。