「つっかれたぁー」
制服を脱ぎ捨てて、ベッドにダイブした。
ちゃんと、高校生らしく、クラスメイトと写真撮ったり、カラオケ行ったりしてきたんだよ。
慣れないことするから、疲れちゃった。
スマホを取り出して画面を眺める。
20時すぎ……
ビミョーかな。
財布とスマホをポケットにねじ込んで、また出かけるの?ってねーちゃんの声に、泊まるかもって答えて外に出た。
今から行くって入力して……その画面を睨んだまま歩いて、結局、送信ボタンを押さないまま、スマホをポケットにしまった。
いなかったら……帰る?
待つ?
今になって、心臓がドキドキし始めた。
おーのさんに会ったら、なんて言う?
インターホンを押そうとした瞬間、
「やっぱり来たか」
背中の方から声が聞こえて、そのままドアに押し付けられる。
「ちょ……!」
俺の背中にくっついたまま、ドアに鍵をさしてカチャリ、と開けて『どうぞ』って、耳のそばで言う。
ナニコレ。
こんなの、反則じゃない?
何故か香る甘い匂いにくらくらする。
「なにすんだよ!」
「お前こそ、なんで黙って来たんだよ。俺がいなかったらどうするつもりだったんだよ?」
……あれ……
センセイじゃ、ない。
「おーの、さん?」
「ん?」
「おーのさん、なの?」
「なんだよ」
どうした?って、ふにゃんって笑う。
「センセイじゃ、ないの?」
「ふふ。もう卒業したろ?」
コーヒーでいいか?って、コーヒーメーカーをセットしてる背中におでこをこつんって、くっつけた。