「相葉さんは……プロを目指してるんじゃないんですか?」
俺の言葉に、くふふふふって笑ってから、違うよって相葉さんが言う。
「俺ね、小学校の先生になりたいの!」
「……え……もったいない……」
昨日、一瞬見ただけでも、相葉さんがバスケがうまいって俺にでもわかった。
プロを目指すには、身体が細すぎるなって思ったけど……
「で?しょーちゃん、考えてくれた?」
「え?」
机の上にぐいっと体を乗り出すから、あぶね!って定食のトレーを手前に引いた。
「え?じゃなくて!バスケ部!もしかしてサッカー部入っちゃった?」
「あ……いや……入らなかった、です……」
「やった!」
ガタン、と椅子を鳴らして相葉さんが立ち上がった。
「ありがとう!しょーちゃん!バスケ部入ってくれるんだよね?!」
がしっと両肩を掴まれて、ゆさゆさ揺さぶられる。
「相葉ちゃん、メシこぼれちゃうよ、櫻井くんの」
大野さんがそう言ってくれて、相葉さんがあっ!って言って手を離した。俺のメシ、セーフ。
「ごめんね!しょーちゃん!」
ガタガタとまた椅子に座って、両手で頬杖をついて、俺を見てにっこりと笑う。
アイドルかよって言いたくなるくらい、眩しい笑顔。
「くふふふふふ。しょーちゃんがバスケ部入ってくれるなんて嬉しいなぁ」
「……あ、あの……」
「なぁに?」
右側に少し首をかしげて俺を見る。
何だかもう、俺、バスケ部でいいやって気になってる。
相葉さんが喜んでくれるんだから、いいんじゃねぇかって、思ってる。
「俺、バスケしたことないですけど」
「くふふ。だいじょーぶ、だいじょーぶ。俺が教えてあげるよ。
とりあえず今日は見学ってことで、メシ食ったら行かない?」
キラキラの瞳に見つめられて、俺はただ、黙って頷いた。