「おー…ちゃん…」
俺よりも小さいその人に、思わずしがみついた。
「タクシー、呼んでやったから、帰れ」
俺の背中をポンポンって叩きながら、優しく、でもきっぱりと言う。
「……うん、ごめん…」
潤も、ごめん……
やっぱり、我慢出来なくて、溢れた雫がおーちゃんのシャツを濡らした。
「泣け泣け、泣ける時に泣いとけ」
おーちゃんの肩に顔を埋めた俺の頭の上をおーちゃんの手が何度も滑る。
俺はどうしたらいいんだろう。
「相葉ちゃんは相葉ちゃんのまんまでいいんだよ」
おーちゃんの言葉に、首を振る。
「相葉ちゃんは、やっぱ綺麗だな」
綺麗なんかじゃ、ない。
真っ黒で、真っ黒で、真っ黒すぎるほど真っ黒なのに。
「んふふ。みんな似たようなもんだよ?」
おーちゃんが下から、俺を覗いて笑う。
「欲しいもんは欲しい」
するり
おーちゃんの指が頬を滑る。
「それでいいんだよ」
「……わかんないよ……」
「わかんねぇなら、わかんなくていい…けど、そんな顔してるとダメだぞ?」
「そんな顔?」
「んふふ。そんな可愛い顔で見つめられたらキスしたくなんだろ。俺もキスうまいぞ?試してみっか?」
「もう!」
ぽかって、おーちゃんの肩を叩いた。
「ほら、早く帰れ」
「うん。ありがとう、おーちゃん。」
机に突っ伏した潤の横を音を立てないようにゆっくり通り過ぎようとしたら、腕の隙間から俺を見上げる瞳と目が合った。
「ごめんね、ありがと。潤」
「うっせ、早く帰ればーか」
「くふふ、おやすみ」
頭のてっぺんにちゅってキスして、そっとドアを閉めた。