「はー!たくさん食べた!お腹いっぱい!」
幸せそうに笑う相葉くんにつられて俺も笑顔になる。
「店長さんにレシピも教えて貰っちゃったし」
くふふって、嬉しそうに笑う。
「相葉くん、料理上手だもんね」
「上手っていうか、慣れてるだけですよ。毎日お弁当も作ってますもん」
「え、弁当も?!」
驚いた俺を見て、またくふふって笑う。
「今度、櫻井さんのところに何か作りに行きましょうか?」
「え、マジで…」
美味いメシは、食いたい。
手料理とかちゃんと食べたのっていつが最後だ?
でも、来てもらうとなると、あのきったねぇ部屋をどうにかしねぇと…
って!来てもらうつもりでいる自分が怖ぇ。
ふるふるふるって、頭を横に振った。
「じゃ、そろそろ帰ろうか?」
「ほんとにご馳走になっちゃっていいんですか?」
「ネクタイのお礼だから…あ…」
せっかく買ったプレゼント、渡すの忘れてた。
立ち上がろうとして止まった俺を相葉くんが不思議そうに見上げる。
「どうかしました?」
タイミング、最悪だけど…今渡さなかったら、また忘れそうな気がする…
「これ、渡すの忘れてた」
座り直して、カバンから箱を取り出してテーブルに置く。
「……え?」
「ネクタイの、お礼。食事だけじゃ、なんだし…」
「えぇ!でも…俺の作ったネクタイだし、こんなしてもらっちゃったら…」
ご飯誘ってもらっただけでも嬉しいのにって、下を向く。
「貰ってもらえると、嬉しいんだけど」
「…でも…」
「じゃあさ、またネクタイ作ってよ。あと、メシも作りに来てよ」
それでどう?って聞いたら、かばっ!ってすごい勢いで顔を上げて、丸い目をさらにまぁるくして俺を見る。
「もらってくれないと、俺も困るんだよ。これ、ゴミになっちゃう」
「え!じゃあ、またネクタイ作ってきます。ご飯も作りに行きます!」
これまた、ばっ!!って音がしそうな勢いで、相葉くんが箱を取っていった。