「なぁ」
しょーちゃんの声に顔を上げた。
「明日って、暇?」
「明日…?特に用事はないけど?」
強いていえば、しょーちゃんの時計の仕上げ磨きをするくらい。
午前中は部活なんだけどさって、しょーちゃんが俺から視線を横に外して言う。
「午後、どっか行かねぇ?」
「い、行く!」
思わず力いっぱい答えた俺に、びっくりした顔をしてから眉毛をふにゃって下げて笑う。
…その顔、すごい好き。
「じゃあ、明日、部活終わったら迎えに来る」
「うん」
これって、デート?
デート、だよね?
「昼メシ、どうするかなぁ…」
「一緒がいい。俺、作って待ってるから、うちで一緒に食べよ?」
「…マジで?」
「あ、でも、アレだよ?普通のご飯だよ?炒飯とかそんなんだよ?」
「雅紀のメシなら、なんでもうまい」
超絶楽しみ!とか言ってるしょーちゃんに慌ててる俺。
そう言ってもらえるのは嬉しいんだけど、なんだかめちゃくちゃ恥ずかしいじゃん。
「じゃ、明日、猛ダッシュで帰ってくるから!」
「うん。待ってるね」
「じゃ、明日な」
「うん。明日ね」
門の前で立ち止まる。
明日、また会えるのに。
明日ねって、約束したのに。
「しょー…」
名前を呼びかけた俺を、しょーちゃんの手が優しく引っ張って
「おやすみ」
また、ふわって抱きしめられて、おでこにもふわって、しょーちゃんの唇が触れた。