「じゃ、またな」
「うん。あの…ネクタイ、ありがと」
「ん」
くしゃって俺の頭を撫でて、しょーちゃんは階段を上っていった。
くしゃってされるの、好きだなって思いながら、髪の毛を整えて、にやけそうになるのを必死に抑えながら教室のドアを開けた。
「はよ」
「わ!」
ドアが開くのを待ち構えてたみたいな潤くんにビックリしたら、なんだよ、その驚き方!って、笑われた。
「まるで女子じゃん」
「しょうがないじゃん、こうなっちゃうんだもん」
上がった両手をおろしたら、まぁはホントに可愛いなぁーって、頭をグリグリされる。
「ちょ、やめてよ、潤くん!」
「翔さんも心配でたまらないはずだわ」
潤くんが俺の肩に腕を回したままニヤリって笑う。
「え?」
「うまくいったんだろ?」
「…えと…」
好きって伝えて、今日も手、繋いで…
びっくりするくらい『うまくいってる』けど…
言っちゃっても、いいの、かな。
「俺のもんだって言ってたよ?」
「え?」
「翔さん。雅紀は俺のもんだって」
「…え…」
なにそれ、って、聞こうと思ったらチャイムが鳴って、大野先生が教室に入ってきて、慌てて席に着く。
しょーちゃん、潤くんに何話したの?
俺のもの…
俺のものって…
嬉しい、けど…
恥ずかしすぎる…
うわーって、両手で顔を隠して、指の隙間から前を見たら、ニヤニヤしながら俺を見ている潤くんと目が合って、俺は机に突っ伏した。