「…あれ…」
カーテンの隙間から、うっすらと明るくなり始めた空が見える。
なんか、久しぶりにぐっすり寝た気がする。
身体もだるさが取れてすっきりしたみたい…だけど…右手だけ、熱い気がして、視線を動かした。
……え……
しょーちゃんが俺の右手を握ったまま、ベッドに寄りかかって寝息をたててる。
もしかして、ずっとこうしててくれたの?
それとも…俺が、なんかワガママ言ったのかな…
そんなところで寝てたら、しょーちゃんが具合悪くなっちゃう…
でも…もうしばらく、このままでも…いいかな。
しょーちゃんとつながってる右手を動かさないようにゆっくりと身体の向きを変えて、左手をそっと伸ばした。
しょーちゃんの髪の毛、セットしてないと柔らかいんだよね。ふふ、ふわふわして気持ちいい。
しょーちゃんの唇も、ぷにぷにしてそう。
昨日、俺…しょーちゃんにデコちゅーしてもらう夢、見たよ。
あったかくて、柔らかくて、幸せだった。
指先で唇にちょんって、触れる。
キスなんて、どうってことない。
なのになんで…しょーちゃんの唇を見ただけでこんなドキドキするんだろ。
橘くんとのキスよりも、松潤とのキスよりも…
夢でおでこに触れたしょーちゃんの唇の方がドキドキするなんて、乙女かよ、俺は。
しょーちゃんの肩がぴくんって、動いたから、慌てて手を引っ込めた。
しょーちゃんの、おっきな目がゆっくりと開いて、俺を見て優しく微笑んだ。
「おはよ、雅紀」
「おはよ、しょーちゃん」
右手はつないだままで、起き上がったら、ギシッてベッドをきしませて、しょーちゃんが身を乗り出して…
こつん
って、おでこがくっついた。