玄関の鍵をしめてから、ダッシュで階段を駆け上がって、部屋の窓から外を見る。
しょーちゃん。
少しずつ小さくなってく背中を見送って、ぼふってベッドに倒れ込んだ。
今日はなんかもう、いろいろ、ありすぎて。
ユメ、じゃないって、思うのに...
ひとりになったら、やっぱり夢の中の出来事みたいで。
温かかった、しょーちゃんの腕の中も
柔らかい、唇も
優しく微笑んでくれる、瞳も
全部、夢の中の出来事みたい。
...でも...
しょーちゃんのGパンとパーカー。
まだ、着てるそれ、が...
やっぱりユメじゃないって、思わせてくれるモノで...
パーカーの袖をそっと、触った。
「ぅわ」
突然震えだしたスマホに、ちょっと驚いて起き上がる。
『生徒会室で待ってて。鍵は智くんに聞いて』
「は、はいっ!」
俺、なんでスマホに返事してんだろって、自分につっこみを入れつつ、
『りょ!』
って、敬礼してるクマみたいな犬みたいなキャラクターのスタンプを返して...
しばらく、迷う。
...でも...
『大好き♡』
って、ハートを飛ばしてるパンダのスタンプも、えいって、押した。