「うっわ、マジか」
CM撮影で来たスタジオ。
隣でしょーちゃんのカノジョが出てるドラマの撮影をしてる...
あの、計算し尽くされた笑顔を思い出すと寒気がするんだけど。
「あー!相葉さん!」
俺の名前を呼ぶ猫なで声に振り返ったら、最近、やたらとしょーちゃんに近づこうとしてる女優さんがいた。
別に悪い子ではないと思うけど...馴れ馴れしいのがちょっと嫌なんだよね。
「久しぶり。撮影?」
「そうなんですぅ。相葉さんはおひとりですか?」
「今日はCM撮影だからねー。残念ながら俺ひとりだよ。しょーちゃんはいないよー」
「え!やだー!何言ってるんですか、相葉さん」
甘ったるいしゃべり方が、聞いててゾワゾワ、する。しょーちゃんがいても、相手にはされないと思うけどね。
少し離れたところにいた、しょーちゃんのカノジョと、目が合った。
しょーちゃん狙いの彼女を睨んでる。
きっと、オンナの勘ってヤツで、彼女がしょーちゃん狙いだって分かってんだろうな。
やっぱ、オンナって怖い。
あ、そっか、いいこと思いついちゃった。
「ナイショの話、してもいい?」
声のトーンを下げる。
「え?」
「こっち見てる人、しょーちゃんのカノジョ、なんだけど、さ...」
「...えっ...」
「けど、しょーちゃんは別れたいみたいなんだよね。公表しろとか、結婚してとかうるさいみたいで。もうすぐオリンピックとかもあって、しょーちゃん忙しくなるから、変なことにならなきゃいいんだけど...」
ふぅって、困った顔でため息をついたら、
「...あのっ!私で出来ることがあったら何でも言ってください!」
必死な顔の、彼女。
ふふ、そうこなくっちゃ。
「じゃあ、さ...カノジョがなんか変な動きしてそうだったら、教えてくれる?マネージャーのってなってるけど、これ、俺しか見ない携帯だから」
名刺を渡してやったら、真剣な顔をして頷いた。
「ありがと。助かるよ。じゃ、撮影頑張ってね!俺も頑張ってくるよ!」
「はいっ!」
笑顔で彼女に手を振って、遠くからこっちを見てるしょーちゃんのカノジョにも、ぶんぶんって、笑顔で手を振ってやった。