困ってる。
すんごく、困ってる、よね。
そんな、握ったら、足、痛くない?
「それだけ、伝えたかったんだ...」
困らせたかったわけでも、答えが欲しかったわけでも、なくて。
ただ、自分の気持ちを伝えたくて...
アンタの立場とか、いろいろ、考えることが出来なくて...
だから、ダメなのか。
まだまだ、ガキだな、俺。
うつむいたままのおーのさんに、心の中でごめんって呟いて、渡されたペットボトルをテーブルの上に置いた。
「...じゃ...」
やっぱり、痛い。
チクチクするよ。
磨き方がまだまだ足りないんだな...そりゃそうか、磨こうって決めたのはさっきだもん。
こんな風に、自分勝手なままじゃ、ダメなんだ。
俺を見ないおーのさんの頭のてっぺんを見て、聞こえないようにため息をついて、玄関へ向かった...はず、なのに...
ものすごい力で腕を引っ張られて、何が起きたのかわからないうちに、おーのさんの腕の中にすっぽり、収まってた。
どう、なってんの?
なんで?
どうして?
迷惑、だったんじゃないの?
困ってたんじゃ、ないの?
「おぉの、さん...」
やっとの事で、出した声におーのさんが、ピクリと、動いて、俺を見た。
戸惑ったようなその顔に、どうしたらいいのかわからなくて、腕の中から逃げようとしたら、またぎゅって、抱きしめられた。
...なんで?
俺、アンタのこと好きって言ったんだよ?
ダメ、なんじゃ、ないの?
そんなこと、されたら...
止まらなくなっちゃうじゃん...
「...ごめん」
ごめん?
ごめんって、何が?
「...ごめん...」
あんまりにも悲しそうに言うから、俺もおーのさんを抱きしめてあげたくなって、そっと腕を回した。
おーのさんが謝らなきゃいけないことなんて、何もないじゃん。
「ごめん」
「何回、言うの、それ」
「うん。ごめん」
おーのさんは、そう言って、またぎゅって、俺を抱きしめた。