「ねぇ、おーのさん、たまには外に出かけない?」
「なんだよ、珍しいな」
「だって、夕焼けがすごい綺麗だよ?」
「体調は?どうなの?」
「良くなかったら、外に行こうなんて言わないって」
「ん、じゃぁ、出かけよっか?」
ベッドに座って、微笑むかずに、笑い返す。
きっと、最期。
これが、最期。
なぁ、かず。
愛するって、こんな、あったかいんだな。
愛するって、こんな、幸せなんだな。
「出かけるのは、暗くなってから、でいいよ」
「え?」
夜なら、自由に動けるんでしょ?って、笑う。
「...かず...」
「...俺、青い瞳のおーのさんも、好きだよ...」
そっと抱きしめて、髪の毛にキスをした。
「かず、愛してるよ」
「うん、俺も...愛してる」
きてって、小さく呟いたかずを組み敷いた。
「辛かったら、言って?」
「言うかよ、アンタが欲しいんだ」
そう言って、口の片側だけ上げて、笑う。
どんだけ、おれの心を持っていったら気が済むんだよ。
そう言えば、全部だよって、笑う。
「寒く、ない?」
「平気、あったかい」
星空を見上げて、ふたりで並んで座る。
心地いい、ぬくもり。
「おーのさん...俺、生まれ変わりなんて、信じないよ?だから、絶対、探すなよ?」
「うん、分かってる。何度も聞いた」
「おーのさん、俺、アンタが好きだよ」
「うん、それも、何度も聞いた」
「さとし...愛してる...」
「...それも、何回も、聞いた」
「さとし...」
消える。
もうすぐ、消えてしまう。
「...泣かないで、さとし...」
「かず、愛してる。愛してるよ」
「...うん、知ってる」
震える唇をそっと、合わせた。
合わせた唇が、ふわっと、微笑んで...
「...かず...かずっっ!!」
俺は、力の抜けた、かずの身体を力いっぱい抱きしめた。
...かず、もうすぐ、夜が明けるよ。
「かず、そこに、いる?」
おれの周りを金色の柔らかな風が舞う。
「かず、これが...おれの、お前への愛のカタチ、だよ」
オレンジの空から、やわらかな、朝陽が顔を出す。
愛することの歓びを教えてくれた、お前と
一緒に、いくよ...
さとし、さとし...ダメだよ
早く、早く帰らなきゃ
朝陽を浴びたら...
金色の風がくるくると、おれの周りを回る。
...朝陽を浴びたら...
おれは、灰に、なる。
だけど...
いいんだ、かず...
一緒に、いよう
お前と、いたいんだ
ゆっくりと、陽の光がおれたちを、照らす。
遠くに見える高層ビルが、その光を反射して...
まるで、『オベリスク』みたいだ。
なぁ、かず。
お前もそこで、見てるだろう?
朝陽って、初めて見たけど
こんなに、綺麗で、あったかいんだな…
お前から感じる、愛、みたいだ…
さらさら、さらさら
草の上に落ちる
青い色をしたそれ、は...
ふわり
金色の風にすくわれて...
どこまでも、どこまでも
高く舞い上がり消えていった。
†Obelisk†Another side of Asterisk*
Fin