「はよ...」
「まーくん、朝からうっさいわ」
待ち合わせ場所の公園で、かずが不貞腐れてる。
「えー!だって、楽しいじゃん!初めてじゃん、僕達だけで電車乗って遊びに行くって!」
「だいたい何で、僕まで行かなきゃなんないのさ」
「かずはちょっとくらい外に出た方がいいんだよ!ね、潤くん?」
「そうだよなー!今日は遊ぶぞー!」
「潤くんも今日はやけに張り切ってんね」
「おぉ!俺、ディズニー好きだもん!」
よし、じゃあ、さっさといこうぜ!って、潤くんが歩き出して、その後ろをかずと並んで歩く。
「大体、遊園地行くのに3人って中途半端じゃないの?」
「だって、おーちゃんは家族旅行でしょ?仕方ないじゃん」
本当は、4人で来たかったけど、おーちゃんはお父さんが単身赴任してる北海道に遊びに行っちゃったんだもん。友達より、家族が大事でしょ?
「かずは、おーちゃんのこと、ホントに好きだよね」
くふふって、笑えば、かずのほっぺが赤くなる。
「べ、べつに好きじゃないし」
かずとおーちゃんは、僕としょーちゃんみたいに、生まれた時からの友達なんだって。
もし、もしも...
しょーちゃんが日本にいたら。
一緒に昨日、卒業式だったら...
一緒に遊びに行けたかな。
そう、思って、空を見上げる。
「まーくん?」
「ごめんね?かず...おーちゃんも、一緒が、良かったよね...」
かずは俺の頭をペチっと叩いた。
「智とはまた、行けばいいんだよ。まーくんも、『しょーちゃん』と、いつか、行けばいいんだよ」
「う、うん。そうだよね、ありがと、かず」
「二人とも、なにしてんのー?電車きちゃうよ!」
「ごめん!すぐ行く!ほら、かず、走るよ!」
「えぇー、朝から?」
「ほら!走って!」
「わぁ!来ちゃったよ、ヤバイ、やばい!」
「走れ!かず!」
階段もダッシュで登って、なんとか飛び乗った電車。
朝からもう、くったくただよって、かずはイスにへたりこんで、潤くんと情ねぇなって、笑った。