おーのさんを置いて、逃げるように乗り込んだエレベーターの壁にもたれて、なっげぇ1日だったな、って、ため息をついたら、勝手に笑いがこみ上げてきた。
さっきの櫻井さん、本当に娘を嫁に出す父親みたいな顔してた。
嬉しそうな、寂しそうな、複雑な、顔。
情けない櫻井さんの顔、たくさん見たな。
松本さんの、必死な顔も。
マサキが戻ってきてくれて、本当に良かった。
「あ、松本さんと風間に連絡しなきゃ」
ポケットからスマホを取り出し、2人にメールを送る。
あとは、相葉さんの復温が終わるのを待つだけ。
相葉さんは、マサキを許してくれるだろうか...
いや、俺達を、か...
上向いた気持ちが、ちょっと、沈む。
沈んだついでに、思い出した。
おーのさんが何者でもいいって言った時の、おーのさんの情けない、顔。
いつもみたいに、ふにゃんって笑ってくれれば良かったのに。
櫻井さんと相葉さん、松本さんとマサキ。
4人にはお互いを想う強い気持ちがあって...
俺とおーのさん、は...どうなんだろう。
イマイチ、掴みどころのない、おーのさん。
俺のことは、好きだって言うけれど...
俺に触れる手や唇から、その気持ちは伝わってくるけど...
永遠の命を手に入れても、幸せになれるとは思えない、と言っていたおーのさんの寂しそうな顔がフラッシュバックする。
けど、一緒に永遠を生きるなんて、言えない。
100年後もアンタを好きだって、言える俺でいれるのか、分からない。
生まれ変わっても、なんて言えない。
見つけられる自信もないし、何より、アンタの未来を縛りたくない。
だから、今しか、いらない。
目の前のアンタしか、信じない。
それじゃ、ダメかな?