しょーちゃんの家に着いて、ラッピングしないまんまのケーキをテーブルに置いたら、そのまま、後ろからぎゅって、抱きしめられた。
「も、バレンタインになったよね?」
「うん」
「ケーキ、食べてね?」
「うん」
「しょーちゃん?」
「嬉しすぎて、舞い上がってんの」
ちゅ、って、首筋にキスをして、しょーちゃんが、離れる。
「ケーキ、食べていい?」
「う、うん。」
「雅紀も、たべていい?」
「うん...って...え?!は?!」
しょーちゃんが、俺の頭を見て、ニヤニヤしてる。
「...なに???」
「ちょっと、動かないで」
パシャリ、スマホで俺の写真を撮る。
「これ」
スマホの画面に写ってるのは、リボンを頭につけた、俺...
「リボン、見える?」
しょーちゃんが、写真を拡大して...
リボンには
『EAT ME♡』
って、書いてあった。
帰る間際に、俺の頭をポンってしたのは、これをつけるためだったの?!
「じゅーーーーーーん!!!!」
聞こえるわけないけど、俺は叫んで、
しょーちゃんは、ゲラゲラ笑ってて。
ひとしきり、笑ったしょーちゃんが、ふわり、と俺を抱きしめた。
「気持ちだけ、もらっとく」
「気持ちだけ、で、いいの?」
「良くないけど、雅紀がいいって言うまでしない」
「しょーちゃん...」
「がっついて、嫌われたくないし」
「嫌わないよ?嫌じゃ、ないし...」
しょーちゃんは、ちょっと困った顔をして、笑った。
「お前、なぁ...自分の言ったことに責任持てよ?」
「うん...怖いけど...しょーちゃんなら、いいよ」
「じゃ、ケーキはあとにする」
そう言って、しょーちゃんは、俺を抱き上げてベッドに沈めた。
「しょーちゃん、好き」
「も、黙って?」
しょーちゃんのキスはチョコなんかより、ずっと、ずっと甘くて...
俺はそっと目を閉じた。
