しょーちゃんの大学までは、アパートから、自転車で、5分。
外からちらっと見たことはあっても、中に入るのは初めてだから、なんかドキドキしちゃう。
「図書館はこっち」
自転車を停めて、しょーちゃんが、前に立って歩く。
いかにも、外国の大学って雰囲気のレンガの建物と、しょーちゃんって、絵になるよね。
かっこいいや。
「何してんの?早く来いよ」
しょーちゃんが振り返って、笑う。
「うん!」
しょーちゃんに、追いつこうと動き出したら、後ろから「ショウ!!」って、たくさんの女の人の声がして...
ビックリして、振り返る。
俺の後ろから、5人くらいの綺麗なお姉さんたちが、わーって、走ってきて、あっという間にしょーちゃんを取り囲んだ。
...やっぱり、こうなるよね。
かっこよくて優しくて、頭もいいんだもん。
モテないわけが、ないよね。
足が止まって、ちょっと離れたところで、女のコたちに囲まれるしょーちゃんをぼんやり眺めてた。
「雅紀!」
しょーちゃんは、女のコたちにじゃあねって、手を振って、俺を呼ぶ。
女のコたちの視線が痛いんだけど...
だけど、女のコたちに見せていた笑顔とは違う、優しい笑顔に嬉しくて、小走りでしょーちゃんの隣まで走って行く。
「しょーちゃん、モテモテだね?」
「ヤキモチ、やいてくれてんの?」
「...うん、ちょっとイヤだった、かも...」
しょーちゃんの手が伸びてきて、俺の髪の毛をくしゃっとなでる。
「心配すんな。俺が好きなのはお前だけだから」
「う、うん…ありがと」
しょーちゃんは、俺の頭をなでた左手で、俺の右手をぎゅって、握る。
「ほら、行くぞ?」
チャリ…
おそろいのブレスレットが、音を立てた。