「まつじゅーん、やっぱ、怖いってー!」
「だいじょーぶだって」
「ええぇー」
フランベやってみたい!って言ったのに、
ビビりまくってる、まぁ。
「ほら、一緒にやってやるから」
後ろから手を回してフライパンを一緒に持つ。
肩幅は広くて、筋肉もしっかりあって、男らしい、
のに…細い腰。
目の前にある、綺麗な首筋。
そこに顎をのせたら、肩をすくめてひゃっ!って
悲鳴をあげた。
「くすぐったいよ!」
「仕方ねぇだろ!見えねぇんだよ!
てか、暴れんな!危ないから!」
「ごめーん」
振り向いたキミの顔が、近すぎて
思わずキス、しそうになる。
「ほら、ちゃんと手元見て」
「はーい」
まだ、肩をくすぐったがって、首を斜めにするから
「だから、見えねぇ…」
「はぁーい…でも…ダメ」
やっぱりくすぐったーい!
って、笑いはじめたキミの後ろから
コンロの火を消して、そのまま抱きしめて、
首元に顔をこすりつける。
「わぁ!待って待って!マジで!
マジでくすぐったいから!」
身をよじって逃げようとするキミをさらにきつく
抱きしめる。
「マジ、マジでごめんって!
ちゃんと、やるからー!ゆるして?」
「ヤダ」
思わず、口をついて出た言葉。
…俺から、逃げないで?
「まつ…じゅん…???」
「 … 」
軽い気持ちで、恋してみてもいいかな、なんて
思っていたのに、いつの間にか、だいぶ深みに
ハマっている自分に気がついて、驚いた。
「どしたの?なんか…あった?」
背中を向けたまま、キミが言う。
「なんも、ない…」
このまま、キスして、抱きしめて…
キミをめちゃくちゃにしてみたい、なんて…
言えるわけ、ないじゃん…
「そっか」
そう言うとキミは、全体重を俺に預けて、
後頭部をぐりぐり!と俺の胸に押し当てて…
「じゃ、続きやろ?お腹すいた!」
って、太陽みたいな笑顔で笑った。