「じゃなきゃ困る」
更に汗ばむ櫻井君の肌を手と唇に感じながら、その返事を聞くオレの興奮は最高超で。
「 後悔、させないようにするから」
喘 ぎに似た櫻井君のその声よりもずっと、自分の声の方がえろくて自分に呆れた。
「後悔はもうしない」
オレの言葉に、後悔はあの頃の分だけで十分だと、そう言った櫻井君が
「俺も、触っていい?」
足に当たっているオレのガチガチなモノを足を動かして少しだけ擦った。
「………えっと……」
興奮状態の中、嬉しいはずの発言に躊躇うのは、実際に櫻井君がオレのに触れたら気持ち悪いと思うかもしれないから。性的な意識で他人のに手を伸ばすなんて同性同士なら抵抗があって当然。しかも今のオレのは恥ずかしいくらいに反応してしまっている。
「嫌?」
「違……、そんなわけないじゃん」
「それなら良いって事だよな?相葉君のもやばい事になってんじゃん」
そう言ってまた少し足に力を入れるから、聞かれて恥ずかしいくらいに声が出た。
「ん……、マジでめちゃくちゃやべぇの。櫻井君に反応してさ、痛いくらい」
櫻井君の足で擦られて更に熱く固くなるのがわかる。これ以上なんてあるのかと思うくらいに反応をしているのに、足で軽く触れられただけで更にこんな風になるなんて。
「俺に反応してくれてんだ?」
「そうだよ。オレの身体、櫻井君にめちゃくちゃ反応してる。やばいくらいに」
自分の中での色々な矛盾と葛藤を意識しながらも擦り付けるように当たる櫻井君の足に今度は自分から強めに押し付けた。
「そんなこと言われたら、すげぇ興奮する。マジでやばいかもしれないわ、俺」
オレの頭を撫でていた手が、服の上から体を撫でるように下へと降りていく。
「興奮ならオレの方がしてる。本当は今すぐ抱きたいって思ってる。櫻井君の中に入ってふたりでめちゃくちゃになりたいって、その事で頭がいっぱい」
櫻井君の手が背中に直接触れる。汗ばんでいるその手は熱い。
「だけどさ、同時に、大丈夫かなってすげぇ心配」
背中を撫でている手がさらに下へ降りていく。その意味がオレにはわかるから、言葉とは対照的にまた櫻井君の足に自分のを今度はもっと強く押し付けた。
「心配って何が?」
背中に触れていた櫻井君の手は腰まで降りて摩るように撫でる。それをしばらくしてから、ベルトで少しきつくなっているデニムの中に躊躇うことをしないで入っていった。
「オレの肌に触れるの嫌じゃない?」
「全然嫌じゃない」
「オレ、男だよ?抵抗ない?」
「無いよ、すげぇ興奮してる。自分でも驚くくらいに」
無理はして欲しくない。櫻井君とのこの先が長くあって欲しいから。勢いだけの今だけの関係でありたくないから。
「このまま先に進める?無理だよね?」
触れられている肌が我慢なんかしたくないと言っている。だけど櫻井君をこのまま抱くわけにはいかない。まだ3回しか会ってないこの関係を壊したくないから。
「少しだけ進むのはダメ?少しだけ、少しづつ。そんな付き合い方は相葉君は嫌?」
ずっと一緒にいたいから、と告白めいた言葉を櫻井君が言う。
「ずっと?」
「ダメ?」
「100回目までってこと?」
「ははっ。発言可愛すぎない?」
話しながらも下着の中で触れる手は動いたまま。撫でたり時々少し力を入れて掴むように揉む。
「少しづつって言っても、オレ我慢出来ないかもよ?」
「ずっと一緒にいてくれるなら良いよ?」
「冗談ばっかり。男同士なんて櫻井君には無理だよ」
言われて嬉しいのに。身体は素直に反応をしたままだと言うのに。それでもなお牽制してしまうのは、女との行為とは違うから。その事を櫻井君はわかっていないから。だから心のままに進んではいけないんだと、そう思っていたのに。
「あの頃から何回想像したと思ってんの?」
相葉君が嫌じゃなければ今すぐにでも良いと櫻井君が言いながら
「顔上げて?キスさせてよ」
なんてめちゃくちゃに甘い声を出すから
「カッコよすぎだって……」
言われたままに顔を上げたオレは、櫻井君の唇に食べるみたいにキスを繰り返し繰り返しし続けた。