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「翔くんはどう思う?」



この問いに正直に答えるならば



「わからない」



が一番素直な回答だと思う。




俺しか知らないであろう弟が、俺以外のしかも女を抱きたいと思う事への多少なりのヤキモチがあるのは確か。だけど、だからと言って「ダメだ」と言う感情では無い。




「わかんないって何さ」




今日のコイツとの行為で「彼」の事が頭に浮かんだ時に感じてしまっての絶頂を否定できない事も「分からない」と今答えたことに少なからず関係しているかもしれない。それが無ければ、もう少し妬くかもしれない。




だけど今の俺は、あの優しい顔がこの行為の時にどんな顔をするのかを見てみたい、と思ってしまっている。例えばその相手が俺である必要は無い。ただ、どんな顔で女を抱くのか。それがあの彼からの想像が難しくて、だから興味が湧くのかもしれない。




「だって、わかんねぇし。体験したことないから」



だからと言って、当たり前になっていたふたりの行為が無くなるなんてことを想像は出来ない。






「お前さ、そんな事聞くけどさ。女抱いても俺の事抱けんの?」




香水の相手が女だと言うことは間違いないと思う。それがこれからコイツの本命になる人なのかは分からないけど。今はまだ知らないらしいけど、女の柔らかさって相当。だからこの先それを知ってしまったら俺なんて御役御免かも。




「逆に聞くけど、女抱いた俺に翔くんは抱かれてくれんの?」




それが無理なら女は抱かない、と真面目な顔をして言うから参る。





「それってワガママじゃね?」



「そうだよ?今知ったの?」



「なんだよ、開き直りかよ」





女の事は否定されなかった。だから今、コイツの近くには特定の女がいるんだろう。多少のヤキモチはあるけれど、詮索するつもりは無いし女を抱くなともやっぱり思えない。





「とりあえずあれだな。女の方が良いって思う時にお前は兄離れするのかもな」




逆かもしれない。その時に初めて弟離れを俺がするのかもしれない。体が離れてようやく、なんて二宮に言ったら「遅すぎ」なんて言われそうだけど。








「女、抱いてみていい?」




俺に「ダメ」だと言って欲しいんだろうか。それとも「いいよ」と言って欲しいんだろうか。できることならコイツが欲しい言葉を言ってあげたい。



だけどそのどっちが正しいのか、どっちが俺の本心として言ってあげたい言葉なのかが自分でもよく分からない。






「……好きにしろよ。もう大人なんだから」




迷って言った言葉はきっと冷たく聞こえたんだろうな。




「……ん」




曇る弟の顔を見てそう思ったけれど、恋人では無い俺が否定も肯定も出来なかったことはこの場合仕方がなかったと思う。