リブログ記事♯9『鬼塚』①~○○は外ぉ!○○は内ぃ!企画
へそ曲がりーナな鬼っ子宇宙人あむるむぅん皆さんに記事の投稿をお任せしてるだけじゃなくって「自分も活動してるんだぞぉ~♪」と、しっかりアピールするために久しぶりの『相棒~レイとレイコの旅物語』の書き下ろしエピソード『鬼塚』始まります♪~1: 積み石 ~「あ!」一番後ろを歩いていたクロエの叫び声と共にゴロンゴロンという音がして、私たちは足を止めて振り返った。『どうしたのだ、クロエよ?』「う、うん……」バツが悪そうに上目で私を見たクロエの足元には両手で持てるほどの大きさの三個の石が転がっている。「何だろうな、と思って ちょっと触ったらくずれちゃったの……」それは道端にある、ひと抱えほどもある平べったい丸石が二枚重ねられたものの上に乗っていた石だった。道を挟んだ向かいには同じような五段の石積みがなんだか無念の表情でクロエのことをにらんでいた。「クロエちゃん、ケガはなかった!?」あわてて駆け寄ったレイコが片膝をついてクロエの身体を確かめると、コクコクうなずいて、「クロは大丈夫。 でも、石を元に戻さなくっちゃ……」「大丈夫だよ、クロエ」今にも泣きだしそうな顔のクロエの肩にぽんと手を置いたマークがニッコリ笑って、乾いた道の上に転がる淡い色――それぞれ赤、白、緑をした平たい石をひょいひょいと無造作に積み直した。「どうだい、クロエ。 こんなもんだったかい?」「う、うん。そうだったと思う…よ?」ちょっと自信なさげにうなずくクロエ。『ふむ』私は左右の積み石を見比べて、『マークよ。 こちらとちょっと違うのではないか?』「もうっ、レイったら! 細かい事言わないのっ!!」腰に手を当てたレイコが不機嫌そうに頬を膨らませて、「あたし、お腹空いてるんだから! この先の『鬼塚の村』のお祭りで、 美味しい名物料理が食べられる、 って聞いてきたのに、 売り切れちゃってたらどうするのよ!?」「レイコのお腹の虫にはかなわないよ、レイ」マークがくすくす笑って、「お腹の虫どころか、 ヘソまで曲げられたら厄介だから、 早く行こうか」一人でズンズン歩き出したレイコの後を追って歩き出した。「おじちゃん……」『なに、そう心配することこともあるまいよ。 では我らも行くとしようぞ。クロエよ』心配そうに見上げるクロエの頭をなでると、私はクロエと共に村へと歩き出した。~2: 鬼塚の村 ~目的の『鬼塚の村』の中央には、四隅に青竹を立ててしめ縄を張り巡らせた大きな岩が鎮座していた。岩の周囲が半径百歩ほどの広場になっていて、そこが祭りの会場だった。会場は、この村の人口の数倍はあろうかという私たちのような祭りの見物客でごった返していて、ぐるりと居並ぶ屋台で売られている様々な酒や料理を口にしてそこかしこで陽気に騒いでいた。『レイコよ。 これはどういった祭りなのだ?』私の問いに、目当てであった名物料理『鶏の鬼揚げ』――この村の名産である地鶏を使った、 たっぷりの香辛料と地酒に一晩漬けたもも肉に、 地粉で焼いたパンの粗挽き粉をまぶして、 大鍋でからっと揚げたもの――をむしゃむしゃほおばりながら、「ん!!」と羊皮紙を面倒くさそうに私に押し付けてどこかへ行ってしまった。『ふむ』「なるほど。 このお祭りの由来が書いてあるね」「おにいちゃん、なんて書いてあるの? 読んで読んで!」妹のようなクロエにせがまれて、嬉しいような恥ずかしいようなそんな笑顔を浮かべたマークが羊皮紙を広げ、木版で印刷された文字を読み上げた。「ええと、なになに――」――観光案内の内容を要約すると、こうだ。数百年前にこの地域一帯を荒らしまわった鬼が、ある勇者によってこの大岩の下に封じられ、それ以来行われてきた祭りは、封じた鬼を鎮撫し、かつ封印の力を持続させるための儀式だという。だが長い時を経た今、この状態――乱痴気騒ぎを見る限り、とても神聖な儀式などではなく、ただの祭りと成り果て、完全に形骸化しているようである。「――その時にほら、 あの剣を突き刺したそうだよ」マークの指さす先には、高さは人間三人分、差し渡しはニ十歩ほどの真っ黒でごつごつした大岩の頂上に、古びた片刃の長剣が刺さっていた。「へえー!」丸くした目を好奇心で輝かせたクロエが私の袖を引いて、「どんな鬼だろうね、おじちゃん!」『さて――。 まあ、この岩の大きさよりは小さいのだろうな』「それじゃあおじちゃんの方がずっと大きいから、 きっとおじちゃんの方が強いね!」『いや、わからぬぞ、クロエよ』私は腕組をして首をかしげて、『なにせ私より小さいレイコの方が 私よりずっと強いからな』苦笑する私の声が聞こえたのだろうか。「にゃあによぅ、レイったらぁ! こぉのか弱く、可愛いあたしの、 どこがレイより強いっていうにょよぅ~!?」いったい何杯目なのだろうか。見物客の中から、ほとんど空になったジョッキを手に酷く酔っ払ったレイコが絡んできた。「だ、駄目だよ、レイコ! お酒は大人になってから飲まなくちゃ!!」「うるしゃぁ~い! そういうマークも、 男だったら飲みなさぁ~い!!」わたわたとあわてて制止するマークをよそに、ジョッキを振り回し中身をぶちまけて暴れる大トラなレイコ。『やれやれ。 封じられた鬼より、 このトラの方が強敵に違いないぞ』コクコクコク。苦笑する私のつぶやきに、神妙な顔でうなずくクロエだった。~『鬼塚』②につづく~『♯9『鬼塚』②~○○は外ぉ!○○は内ぃ!企画』『♯9『鬼塚』①~○○は外ぉ!○○は内ぃ!企画』へそ曲がりーナな鬼っ子宇宙人あむるむぅん皆さんに記事の投稿をお任せしてるだけじゃなくって「自分も活動して…ameblo.jpハッシュタグ『#○○は外○○は内』をつけて節分に関する記事の投稿お待ちしております♪『企画『○○と鬼は外!○○と福は内!』についてご連絡』わたくし地球生まれの宇宙人へそ曲がりーナな不思議な子あむるむぅん現在投稿募集中の企画ネタ一連のコロナ騒動のおかげで非日常な日々を過ごされて大変不自由を強い…ameblo.jp