『100歳を超える淡水魚を2種確認、なぜか「老化しない」驚きの巨大魚の仲間、最新研究』
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* 北米のバッファローフィッシュ、「彼らは最高の状態で100歳を迎えています。驚異的です」
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2023年10月20日付で学術誌「Scientific Reports」に発表された最新の研究で、北米の広い範囲に生息するスモールマウス・バッファローフィッシュ(Ictiobus bubalus)とブラック・バッファローフィッシュ(Ictiobus niger)が、100年以上生きることが確認された。
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栗色から青系までさまざまな色を持つこの魚は、ほんの数年前まで、20代半ばまでしか生きられないと考えられていた。
しかし、2019年の研究で、体重35キログラム近くになることもあるビッグマウス・バッファローフィッシュ(Ictiobus cyprinellus)が112歳まで生きる可能性があると判明した。
さらに、2023年1月には、カナダのサスカチュワン州で127歳のビッグマウス・バッファローフィッシュが見つかった。
約1万2000種におよぶ真骨類の淡水魚としては、知られている限り、最も長生きする種だ。
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100歳まで生きられるバッファローフィッシュはこれで3種になった。
他に100歳を超える種が3ついる属は、知られている限り、海水魚のメバル属(Sebastes)のみだ。
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また、バッファローフィッシュは80代後半~90代まで最高の状態で生き続け、若い個体よりストレス反応や免疫機能が優れていることも明らかになっている。
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今回の発見は、バッファローフィッシュについての通説を覆す最近の研究結果を補強するものだ。
バッファローフィッシュは北米原産の淡水魚5種から成る属で、弓のような道具で魚を射るボウフィッシングの人気ターゲットになっているが、これまでほとんど研究されていなかった。
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「ひと言にまとめると、バッファローフィッシュは先入観にとらわれない動物です」と今回の研究を率いた米ミネソタ大学の魚類専門家アレック・ラックマン氏は話す。
「彼らは予想を裏切ります」
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* 砂漠の湖に暮らす巨大魚
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今回の研究では、2018年7月から2023年7月にかけて、数十人の釣り人が米アリゾナ州東部の砂漠にあるアパッチ湖で222匹のバッファローフィッシュを釣り上げた。
研究チームは人道的に安楽死させた23匹から耳石を取り出して分析し、魚の年齢を推定した。
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耳石は、魚が水中で振動を聞いたり感じたりするための構造物で、炭酸カルシウムの新しい層が定期的に形成されるため、木の年輪のように読み取れる。
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その結果、アパッチ湖のバッファローフィッシュの90%以上が80歳を超えていることが判明した。
また、アパッチ湖で釣り上げたスモールマウス・バッファローフィッシュ、ビッグマウス・バッファローフィッシュ、ブラック・バッファローフィッシュの3種いずれも、100歳以上の個体が確認された。
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残りの199匹については、体を傷つけないよう、返しが小さい針や返しのない針で釣り上げ、写真撮影したうえで、すべて湖に戻した。
うち129匹は体重も測定した。
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「チョウザメやアリゲーターガーなど、川に暮らす大型魚の中には、50年以上生きる種もいます」と米ジョージア水族館で魚類と無脊椎動物の学芸員を務めるネイサン・ファーノー氏は話す。
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「しかし、100歳以上の魚の証拠が発見されると、本当に興奮します」。
なお、ファーノー氏は今回の研究に参加していない。
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* 1918年から生き続ける「よそ者」
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ラックマン氏によれば、この発見でさらに注目すべき点は、これらの魚がアリゾナ州に元からいた魚ですらないことだ。
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ビッグマウス・バッファローフィッシュの自然生息域はカナダ、サスカチュワン州南部から米国テキサス州、ルイジアナ州まで。
スモールマウス・バッファローフィッシュとブラック・バッファローフィッシュは同じ範囲に加えて、カナダのオンタリオ州、米国ニューメキシコ州、メキシコの一部にもいる。
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1918年、アリゾナ州ソルト川のダム湖であるルーズベルト湖に商業漁業を定着させるという米漁業局の計画の一環として、約400匹のバッファローフィッシュが鉄道でアリゾナ州に持ち込まれた。
その後、下流にアパッチ湖がつくられ、一部の魚が泳いで移動した。
アパッチ湖の魚は米国アイオワ州のふ化施設から来た可能性が高いとラックマン氏は述べる。 
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ラックマン氏によれば、今回の研究結果は、ソルト川の水系ではまだ、最初に持ち込まれた魚が生き続けていることを示唆しているという。
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「あのダム湖は荒涼とした砂漠のような環境ですが、それでも、彼らは100年以上も生きることができるのです」とラックマン氏は話す。
「野生動物を捕まえて、そのような新しい生息環境に放つことを想像してみてください。
あまり長生きしないと思ったのではないでしょうか」
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* 老化と無縁の魚、若さの泉はどこに?
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まだほとんど解明されていないが、バッファローフィッシュは極めて特殊な環境条件で繁殖するため、繁殖が成功するまでに何十年もかかることがある。
だからこそ、これほど長生きするように進化したのだろう。
ラックマン氏によれば、繁殖しない期間が長いことへの適応だ。
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カナダ、サスカチュワン州では、バッファローフィッシュはごく珍しい急激な水位変動が起きたときの狭い範囲の中でしか産卵しようとせず、50年間も子孫を残さないことがある。
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バッファローフィッシュの長寿に関する研究が進めば、人を含む脊椎動物の長生きについて知見が得られるかもしれないとラックマン氏は考えている。
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「バッファローフィッシュについての大きな疑問の一つは、その驚異的な長寿をどのように実現しているかです。
彼らの若さの泉はいったい何でしょう?」
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この疑問の答えを探る方法の一つが、なぜ高齢のバッファローフィッシュは若い個体よりストレスが少なく、免疫力が強いかを理解することかもしれない。
これは2021年4月に「Scientific Reports」に発表されたビッグマウス・バッファローフィッシュの研究で確認されたことだ。
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高齢のビッグマウス・バッファローフィッシュは若い個体よりうまく細菌を撃退した。
さらに、高齢の個体は血液中の好中球とリンパ球の比率が低かった。
これはストレスレベルが低いことを示唆している。
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「彼らは最高の状態で100歳を迎えています。
驚異的です」とラックマン氏は話す。
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一方、バッファローフィッシュの保護は優先事項だとラックマン氏は述べている。
バッファローフィッシュは米国の北中西部で釣りの対象となっており、個体数が減少しているにもかかわらず、アリゾナ州を含め、捕獲は事実上規制されていない。
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「現在、アパッチ湖に行けば、バッファローフィッシュを釣って、そのまま持ち帰ることができます」とブラック氏は話す。
「個人的には、今すぐ彼らを保護することが最も重要ではないかと考えています」
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(NATIONAL GEOGRAPHIC)
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淡水魚も子供のころから大好きで今でも飼っている。
100年以上いきる魚がいるとはすごいね。
餌として売られている子赤や金魚すくいの金魚も池で飼っているが大きく育っている。
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追伸:
今日、風呂に入りながら聴いたアルバムは、
「The Stars of Country Music: 15 Original Albums & Bonus Tracks (2015)DISC5(ハンク・スノウ 1955)」(13~17)
1914年生まれカナダ出身のカントリー・ギタリスト・ソングライター。
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追伸2:
2011年米映画「メカニック」をまたまた…観た。
<殺人が行なわれた痕跡をけっして残さない仕事ぶりで、“メカニック(機械)”の異名を持つ殺し屋アーサー(ジェイソン・ステイサム)。
雇い主の新たな依頼は親友ハリー(ドナルド・サザーランド)の暗殺だが、アーサーはプロに徹して仕事を遂行する。
後日、アーサーはハリーの葬儀でハリーの荒っぽい息子スティーブ(ベン・フォスター)と再会し、彼を弟子にして殺し屋の仕事を教えだす。
だがそれは、ハリーの命を奪ったのが自分であることがいつスティーブにバレるか分からない、緊張した関係を生んでいく。>
1967年生まれイングランド出身の俳優ジェイソン・ステイサム主演のクライムアクション映画だね。
1980年生まれマサチューセッツ州出身の俳優ベン・フォスターも出ている。
1935年生まれカナダ出身の俳優ドナルド・サザーランドも出ている。
1960年生まれカリフォルニア州出身の俳優トニー・ゴールドウィンも出ている。
1978年生まれスェーデン出身の女優ミニ・アンデンも出ている。
監督は、「トゥームレイダー」「エクスペンダブルズ2」などのサイモン・ウェスト。
1972年公開のチャールズ・ブロンソン主演の同名アクション・スリラーをリメイク。
ジェイソン・ステイサムは大好きな俳優の一人。
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