『「処女懐胎」できるサメ、オスが「妊娠」する魚
動物の不思議な子孫の残し方【動物のふしぎ】』
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* 弱い子を守り、子孫を増やす動物たちの驚きの戦略
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子孫を残すことは生きものの使命だ。
動物たちはそのために様々な進化を遂げてきた。
たとえば、わたしたち人間をはじめ、哺乳類などにみられる妊娠は、小さな子どもを守る戦略のひとつ。
とはいえ、その期間や子どもの数などその形は多岐にわたる。
また、オスが身ごもる魚や、メスだけで子孫を残せるものも。
ここでは動物たちが子どもを残す方法のなかから、興味深い例を紹介していく。
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知能が高くて寿命も長い種は、1匹ずつ子どもを身ごもり、妊娠期間が長いことが多い。
たとえば、アフリカゾウの妊娠期間は何と22カ月。
哺乳類で最長だ。
逆に、妊娠期間が短い動物は一度にたくさんの赤ちゃんを産む傾向がある。
たとえば、ハツカネズミは、わずか19日間の妊娠期間を経て、12~20匹の赤ちゃんを産む。
しかも、これを2カ月ごとに繰り返す。
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「ハツカネズミの環境は危険が多く、常に変化するためです」と、ドイツ、ライプニッツ動物園野生生物研究所の獣医師であるトーマス・ヒルデブラント氏は説明する。
全員は無理でも、そのうちの何匹かはおとなまで生き延びてくれることに望みをかけて、たくさんの子どもを産むというわけだ。
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イヌやネコも、飼育下・野生に関わらず、妊娠期間が短く、複数の赤ちゃんを産む。
イエイヌの典型的な妊娠期間は63日で、一度に5~6匹の子が生まれる。
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同じ時に同じ母親から生まれた子イヌでも、父親が違うことがある。
これを「同期複妊娠」という。
メスは一度に複数の卵子を排卵し、受精可能期間が1週間続く。
その間に複数のオスと交尾すれば、それぞれの卵子が別の精子と受精しうると、米コーネル大学獣医学部の生殖生物学者アレクサンダー・トラビス氏は言う。
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そうなると、たとえばプードルの母親が、プードルとビーグルのミックス、プードルとレトリーバーのミックスというように、同時に複数の異なる犬種の子イヌを産むこともある。
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* オスが「妊娠」して子どもを産むタツノオトシゴの健気な愛の営み
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極めて稀な例だが、オスが「妊娠」する種もいる。
よく知られている動物では、タツノオトシゴがそうだ。
タツノオトシゴはヨウジウオと同じ科に属し、どちらも「オスが子どもを産むという繁殖戦略」を取ると、米フロリダ自然史博物館のジョージ・バージェス氏は話す。
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カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学の海洋生物学者であるアマンダ・ビンセント氏は、「メスの胴体の下から突き出たペニスのような」産卵管を「独創的な梱包装置」と表現する。
この産卵管を使って、メスは卵をオスの育児嚢(いくじのう)の中に産みつける。
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育児嚢の中にはひだがあり、表面積は見かけよりずっと広く、すべての稚魚を柔らかい組織で抱き込める。
「育児嚢の大きさが大さじ半分ぐらいしかない」細身のオスから1572匹の稚魚が産まれたことをビンセント氏は確認している。
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オスが自由に動き回る小さな稚魚を出産するころには、メスは「次の卵を準備」しており、すぐにまた交尾を行う。
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夫婦の愛を深めるために、「タツノオトシゴのオスとメスは毎朝一緒に何度もダンスをします」とビンセント氏。
タツノオトシゴの夫婦は踊りながら色を変え、ときに尾をからませる。
バージェス氏によると、体を固定するためにタツノオトシゴは尾を巻きつけて海草などをつかむという。
人間の赤ちゃんが大人の指をつかむような感じらしい。
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身ごもるオスは「子どもたちの父親が自分であることを当然わかっています」とビンセント氏。
オスがここまで熱心なのはそのためかもしれない。
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* サメやトカゲはできてもヒトが単為生殖できない理由
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オスとメスに分かれる有性生殖は子孫を残すために進化した戦略だが、性別があってもメスだけで子を残せる動物もいる。
いわば“処女懐胎”だ。
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例えば2016年、オーストラリアのリーフHQ水族館で飼われているトラフザメの「レオニー」が飼育員を驚かせた。
数年間オスとの接触がなかったにもかかわらず、産んだ卵から3匹の子サメが誕生したからだ。
2006年には英チェスター動物園でコモドオオトカゲの「フローラ」が同様の離れ業をやってのけ、飼育員を当惑させた。
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一方の性だけで子を残すやり方は「単為生殖」と呼ばれ、動物がより単純なものだったはるか昔から存在した。
単為生殖をする動物の大半は、ミツバチ、スズメバチ、アリ、アブラムシといった小型の無脊椎動物だ。
彼らは有性生殖と単為生殖を切り替えることができる。
だが、脊椎動物のような複雑な動物にとっては、逆境に陥った種の最終手段のひとつになったと考えられている。
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脊椎動物でも80種以上で単為生殖が確認されており、その約半数が魚か爬虫類だ。
とはいえ、サメ、ヘビ、大型のトカゲなどの複雑な脊椎動物が単為生殖に頼ることはめったにない。
だからこそ科学者たちは当初、レオニーなどの例に困惑した。
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ヒトを含む哺乳類では、単為生殖をする動物は知られていない。
哺乳類の遺伝子には、母親由来か父親由来かを示すラベルがあるからだ。
これを「ゲノム刷り込み(インプリンティング)」という。
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哺乳類の特定の遺伝子では、どちらの親のものが発現するかが決まっている。
ゆえに、親がどちらかの性だけだと全く発現しない遺伝子があり、子は生存できないのだ。
単為生殖できない哺乳類は、グループとしてみれば実にマイナーな存在だ。
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* 多様性か数かの問題
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非常に珍しいが、単為生殖でのみ繁殖する脊椎動物もいる。
そのひとつは、北米の砂漠に生息するハシリトカゲの一種で、当然ながら全員メスだ。
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単為生殖なら、交尾相手を見つけるエネルギーを費やすことなく、自分の遺伝子を伝えられるため、困難な状況においては種の存続を助ける。
これが、砂漠や島に生息する種に単為生殖が非常に多い理由かもしれない。
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例えば1匹のメスのコモドオオトカゲが、他の個体が生息しない島に上陸した場合でも、単為生殖により単体で群れを生み出すことすら可能かもしれない。
しかし、このようにして増えたコモドオオトカゲ母娘は遺伝的多様性に乏しく、病気や環境の変化に対して弱いだろう。
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オスとメスの2つの個体がそろわないと子を残せない有性生殖より、1つの個体だけで済む単為生殖のほうが、数を増やすには効率がよい。
有性生殖か単為生殖かは、多様性と数のどちらを増やすのかという問題ともいえる。
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この記事はナショナル ジオグラフィック日本版とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
世界のニュースを独自の視点でお伝えします。
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(NATIONAL GEOGRAPHIC)
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『子孫を残すことは生きものの使命だ。』
我々生き物たちの唯一絶対の生きる目的は「自身の遺伝子を次世代にバトンタッチする事」。
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『ハツカネズミの環境は危険が多く、常に変化するためです』
ピッチが短ければ環境に合わせた突然変異の種の固定が起きやすく絶滅しにくい。
ウイルスなどは生き物の定義から外れるが、数十時間単位で次世代にバトンタッチするのでどんどん進化しやすい。
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追伸:

小雨の中、次男を学校に送って行った。

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追伸2:
庭を散策して、西と東のビオトープ(メダカ・ヌマエビ・スジエビ・タニシ・カワニナ・ドブガイ・シジミ)の水面の落ち葉などゴミをゴミ拾いトング挟んで捨てた。
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西と東のビオトープでウキクサを探したが見つからなかった。
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屋根を取った元錦鯉池(ヒメダカ)に水を足した。
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追伸3:
今日、風呂に入りながら聴いたアルバムは、
「ヘレン・メリル ウィズ・クリフォード・ブラウン(5~6)」
1929年生まれニューヨーク州出身のジャズ・シンガー。
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追伸4:
1997年米映画「悪魔を憐れむ歌」をまた観た。
<フィラデルフィア。
殺人課の敏腕刑事ジョン(デンゼル・ワシントン)に逮捕されたが、“俺は自由になって戻ってくる”という歌を口ずさみながら、ジョンの目前で死刑に処された殺人犯リース(エリアス・コーティアス)。
なんとその後も、リースと同じ手口の殺人事件が連続発生。
しかも犯罪現場にはいつも謎めいた言葉が記されていた。
独自の捜査を始めたジョンは、やがて知り合った神学教授グレタ(エンベス・デイヴィディッツ)から、現実を超越した恐るべき悪魔が事件に関わっていることを聞いて慄然とするが……。>
1954年生まれニューヨーク州出身の俳優デンゼル・ワシントン主演のホラー映画だね。
1952年生まれミズーリ州出身の俳優ジョン・グッドマンも出ている。
1935年生まれカナダ出身の俳優ドナルド・サザーランドも出ている。
1965年生まれインディアナ州主演の女優エンベス・デイビッツも出ている。
1961年生まれニュージャージー州出身の俳優ジェームズ・ガンドルフィーニも出ている。
監督は、「真実の行方」「ブラックサイト」などのグレゴリー・ホブリット。
デンゼル・ワシントンは、大好きな俳優の一人。
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追伸5:
1996年米映画「戦火の勇気」をまたまた…観た。
<湾岸戦争の激戦の中、米軍のナット・サーリング中佐(デンゼル・ワシントン)は、誤って親友のボイヤー大尉を死なせてしまう。
ワシントンに戻ったサーリングは事務職を命じられ、戦友を殺した罪の意識で妻(レジーナ・テイラー)との仲もうまくいかず、酒に逃げるように。
ある日、サーリングは、戦死した女性パイロットで、史上初の女性の名誉勲章授与となるカレン・ウォールデン大尉(メグ・ライアン)の調査を命じられた。
調査を進めるなかで彼は、彼女の死の裏にある多くの謎に気付いていく。>
1954年生まれニューヨーク州出身の俳優デンゼル・ワシントン主演のヒューマンドラマ映画だね。
1961年生まれコネティカット州出身の女優メグ・ライアンも出ている。
1962年生まれフィリピン出身の俳優ルー・ダイアモンド・フィリップスも出ている。
1941年生まれミシガン州出身の俳優マイケル・モリアーティも出ている。
1970年生まれマサチューセッツ州出身の俳優マット・デイモンも出ている。
監督は、「ラスト サムライ」「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」などのエドワード・ズウィック。
デンゼル・ワシントンは、大好きな俳優の一人。
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