『「私たちの研究してみない?」科学者に植物学の道を勧めたのは、オークの木だった』10/10
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植物は知性を持ち、人間に語りかける……この言葉にあなたは何を思っただろうか?
科学的事実が重要視されるこの社会では、あまりに浮世離れした話に思えるかもしれない。
しかし、植物の「知性」や「コミュニケーション能力」について研究し、実際に論文を出した科学者がいる。
科学と「科学では説明しきれない現象」の枠を超えた先で見えたものとは──
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* 植物は知能を持つ?
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モニカ・ガリアーノは、賢者のように語る木々や茂みから、言葉をもらったことがある。
シダの精霊に赤ん坊のように揺られたことも、オシャというハーブの根が呼び出した「透明なクマ」の背に乗ったこともあった。
あるいは、太古から伝わる管楽器、オカリナを森の中で吹いていると、誤って時空を曲げてしまったこともある。
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「“Oryngham(オリンガム)”は植物の言葉で“ありがとう”という意味なんです」と彼女は言う。
植物たちとの交流は、ときにシャーマンやアヤワスカの助けを借りて、夢や歌、念力などを通して行われた。
これらはすべてガリアーノが科学研究をしていた時期に起きたことだ。
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ガリアーノはオーストラリアのシドニー大学で、「植物はある程度知能を持っている」とする研究をいくつも発表している。
彼女の実験は、植物が行動を通して学び、記憶できることを示唆しているのだ。
また、植物が水の流れる音を「聞く」ことができ、コミュニケーションのためと思われるクリック音を出していることも示している。
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* 科学と非科学のはざまで
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ガリアーノに研究の道を示したのは、植物だ。
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あるオークの木が、「植物による音のコミュニケーションに関する研究」をしてみてはと彼女に「提案」したのだ。
その木は、助成金の申請が通ることも保証したという。
「あなたは私たちの物語を語るためにここにいるのです」と、そのオークは彼女に語りかけたそうだ。
2012年のことだった。
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「私が体験してきたことは、“私が変人だから起きたこと”じゃないんです」とガリアーノは語る。
人間が植物から学ぶということは、古くからあったことだそうだ。
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ガリアーノは、科学的な証拠ではなく主観的な経験に基づいた主張は、妄想と受け取られることをわかっている。
特に植物学者はこの手の話を嫌っていることもあり、それゆえに彼女の科学者としてのキャリアが傷つく可能性があることも、彼女は理解している。
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1973年、爆発的にヒットした書籍『The Secret Life of Plants』(「植物の神秘生活: 緑の賢者たちの新しい博物誌」、工作舎)は、植物がクラシック音楽を楽しみ、人間の心を読むことができるなど、植物について疑似科学的な主張がなされた。
書籍の信用度は低かったが、あまりの人気に、多くの専門機関や研究者は警戒したほどだった。
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そんな前例がありながらもガリアーノは昨年、大胆かつ取りとめのない回顧録『Thus Spoke the Plant』(未邦訳、「したがって、植物は語る」)を発表している。
植物との「会話」がきっかけで始まった研究について執筆されたものだ。
彼女は多くの科学者や環境学者と同様に、地球を救うには「人間を自然界の一部として理解する必要がある」と信じている。
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彼女はまた、植物自身がその重要性について語れると考えている。
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「世界は魔法に満ちていることを人々に認識してもらいたいのです。
それは一部の人にしかできないものでも、この世から外れているものでもありません。
すべては、ここで起きているのです」
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* 「人間はすごい」って本当?
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迫り来る環境崩壊のなか、私たちは地球上の生命がどれほど複雑であるのか、わかっていなかった。
「こちらとあちらの境界」がどれほど曖昧なのか、知らなかった。
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たとえば、言語は人間だけが使うものではない。
プレーリードッグはたくさんの形容詞を使い、中央アメリカに生息する「アンデスの歌うネズミ(デグー)」は“丁寧”に鳴くことがある。
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ワタリガラスは高度な計画を立てられることが証明されている。
彼らは食べ物を物々交換し、将来に向けて必要なものを手に入れられることもわかり、人間例外主義にさらなる打撃を与えた。
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また、ハキリアリは私たちよりも数百万年も前に農業を発明し、ゴミの埋め立て地を作ったうえに「ゴミ収集担当者」も定めている。
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粘菌類も「決定する」ことができるそうだ。
彼らは、資源間のもっとも効率的なルートを決定する能力に長けている。
研究者はそれらを高速道路設計の支援に使用することを提案したこともあった。
しかし、最も賢い「頭脳」を持っているのは植物である可能性もある。
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人間にはできない多くのことを植物はできるのだ。
たとえば木は、自身をクローンに8万歳の超生命体になることがある。
トウモロコシはスズメバチを呼び寄せ、身についた幼虫を攻撃させる。
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また調査によると、植物と人間にはいくつかの共通点があることもわかった。
植物は栄養(食べ物)を共有し、親族を認識する。
互いに交流し、数を数え、触れられれば「感じる」ことができるのだ。
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その能力ゆえに、植物は洗練された複雑な方法で環境に対応できるという。
「数年前に私たちが理解していたよりもはるかに複雑です」とスイス、ローザンヌ大学の植物学者であり、植物間コミュニケーションの概念を擁護した最初の1人であるテッド・ファーマーは語る。
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* 学んだミモザ
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ある生物学者グループがこの夏、『Plants Neither Possess nor Require Consciousness(植物には意識も欲求もない)』と題した論文を発表した。
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筆者は植物を「擬人化」することに警鐘を鳴らし、「植物には意識がある」という説の支持者による主張は「一貫して脳の複雑な能力を言い紛らわしている」とした。
この論文でガリアーノの著書は指摘されてはいない。
しかし彼女の実験と、植物に対する感情や主観性を示す発言は、これらの批判のうちに含まれる。
彼女の研究は「ロマンチックな生物学のニューウェーブ」に分類されたのだ。
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2013年、マイケル・ポランはガリアーノのある実験について記している。
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その実験は、植物が動物のように「馴化」と呼ばれる基本的な学習をしていることを実証するためのものだ。
おそらく彼女の研究のなかで最も広く知られている実験だろう。
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実験には、触れると葉を収縮させる敏感な植物、ミモザプディカが使われている。
鉢植えのミモザを傷つけない程度に発泡体へ落下させたところ、最初はすぐに葉が閉じたが、何度か繰り返すうちに反応しなくなった。
鉢を揺らした際に葉が再び閉じられたので、ミモザが「疲れたから反応しなくなったのではない」とガリアーノは記している。
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そして、この落下テストを1ヵ月後に再度行ったところ、葉は平静を保っていた。
ミモザは、落下が脅威ではないと「学んだ」のだとガリアーノは主張した。
植物は記憶していたのだ。
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* 入り混じる主観と客観
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その後の研究により、植物がたしかにある種の記憶能力を持っていることがわかっている。
しかしガリアーノの結論は当時、好意的に受け入れられなかったという。
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この実験において、彼女は「学習」という言葉は比喩として使っていないと主張した。
実験で示された行動を植物がどのように行っているのか分からなくても、起こったことを説明する最高の表現が「学習」だとしたのだ。
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前出のポランは、彼女の実験は「注目に値する仕事」だったとインタビューで答えている。
「人間は植物を過小評価する傾向にありますが、彼女はその認識を変えようとしている数少ない科学者グループの1人です」
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また、科学者のハイディ・アベルは「ガリアーノは若く、聡明です。
彼女は植物における感覚生物学の分野で多くの開拓をしてきました」と語った。
彼は、ロッククレスという花が、幼虫の葉を食む音にさらされると、防衛のために特定の物質を生成することを発見している。
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一方でアベルは「分別されるべき“科学的事実”と“スピリチュアルな経験”がいっしょくたになっているようには感じますね」とも述べている。
またボランも「証明できることと、主観的に真実であると感じることを区別するのは重要だと思います」と語った。
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「ただ、どこで線引きするかは難しいものです」
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(COURRIER)
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「“Oryngham(オリンガム)”は植物の言葉で“ありがとう”という意味なんです」
ドングリから育てた庭のクヌギやコナラやアベマキやミズナラに、これから語り掛ける時には、「オリンガム」と言う。
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『「あなたは私たちの物語を語るためにここにいるのです」と、そのオークは彼女に語りかけたそうだ。』
木が語り掛ける。
素晴らしいことだね。
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「植物は栄養(食べ物)を共有し、親族を認識する。
互いに交流し、数を数え、触れられれば「感じる」ことができるのだ。」
この頃は植物の能力が実験で分かりかけてきたね。
植物は、時間も温度も触覚も音もわかるからね。
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追伸:
西と東のビオトープの水面の落ち葉などゴミをゴミ拾いトング挟んで捨てた。
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亀小屋の亀達(イシガメ・クサガメ・ペニンシュラクーター)に水足しをした。
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追伸2:
今日、風呂に入りながら聴いたアルバムは、
「JAZZVOCAL ジュリー・ロンドンvol.2」。
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追伸3:
2017年米映画「ダーク・タワー」をまた観た。
<ニューヨークで暮らす少年ジェイク(トム・テイラー)は不思議な夢に導かれ、時空を超越する荒廃した異世界に迷い込んでしまう。
現実世界と密接するその世界では、世界の支柱である「タワー」を巡り、タワーを守る拳銃使いの戦士=ガンスリンガーのローランド(イドリス・エルバ)と世界の崩壊をもくろむ黒衣の男ウォルター(マシュー・マコノヒー)が壮絶な戦いを繰り広げていた。>
1972年生まれイングランド出身の俳優イドリス・エルバと
1969年生まれテキサス州出身尾の俳優マシュー・マコノヒー主演のSFアクション映画だね。
監督は「特捜部Qカルテ番号64」「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」などのニコライ・アーセル。
スティーブン・キングが1970年代から30年もの歳月をかけて完成させたライフワークともいえる小説「ダークタワー」シリーズを実写映画化。
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追伸4:
2006年米画「ユナイテッド93」をまた観た。
<2001年9月11日の全米同時多発テロの混乱を、全米中の飛行機を監視する管制センターや米軍基地、そして、ハイジャックされた4機の内ただ1機だけ目的地に届かず、ペンシルバニア州に墜落したユナイテッド93便の内側から描く。>
1958年生まれペンシルベニア州出身の女優ベッキー・ロンドン主演の実話を基にしたテロ映画だね。
1952年生まれコロラド州出身の俳優グレッグ・ヘンリーも出ている。
監督・脚本は「ブラディ・サンデー」「ボーン・スプレマシー」のポール・グリーングラス。
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