偉大な発明 「モーションコントロールカメラ」 | アイドルは電気ヒツジの夢を見たか?

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他愛もない日々の記録です。
娘の闘病が終了し、新たな気持ちで前に向かってます。

スターウォーズシリーズのSFX・特撮を語る際、必ず出てくるのが
モーションコントロールカメラ。
今更これについて説明するまでもないが、
簡単に言うとコンピュータ仕掛けの動くカメラ。
コマ単位でカメラの動きを、見方を変えれば撮影対象物の動きを
プログラムする事が出来る。
当時のメイキング映像を見てみると、総て背景にブルーマットが使用されているので
撮影・演出の生産性を上げるのが目的であったのであろう。

 

その後モーションコントロールカメラは、その繰り返し精度の高い事から
フロントライト・バックライトと言う手法に使用される事になる。
これは、ブルーマットを使用せず、黒い背景の元、
模型に強烈なライティングを当てセンタークリアのマスクを、
また逆に背景に明るいホリゾントを使用し、ミニチュアを黒く撮して
センターマスクをそれぞれ一気に作成してしまう方法。
(これに関しても後日改めて取り上げる)

 

 

ブルーマット合成しか出来なかった時代から考えると、
合成手法も様変わりして行った事が良く判る。

 

 

最近の合成はビデオ画像で電子的にやってしまう。
最新のスターウォーズでは撮影にフィルムすら使っていない。
またミニチュアも使用されるシーンが少なくなってきた。
電子的に合成する場合、基本的には背景は何色でも合成が可能である。
実際には、俳優の着物や顔の色、合成のしやすさなどから、
背景の色が決められている。
よって今では、「スーパーマンはスーツがブルーだから、
スクリーンプロセスでしか合成出来ない。」
などと言わなくてもすむ。

 

 

話を戻すが「ダイクストラ・フレックス」と名付けられた
このシステムが無ければ、大好きな側溝突入シーンも、
「トラトラトラ」や「トコリの橋」を完璧にトレースした
宇宙区間での戦闘シーンが、きっと見る事は出来なかった事であろう。

 

 

このシステムを開発するのにかなりの時間と資金が費やされているが、
その後の映画界全体に与えた影響を考えると、
ものすごい発明だったのだと、改めて関心させられてしまうのであった。