3.エンリケ・バリオス氏への最初の手紙
エンリケ・バリオス氏は、南米チリのご出身です。
チリの公用語はスペイン語。
ここで、いきなり難関でした
スペイン語は丸っきり分かりません。
早くも断念か・・・
と思っていたら、ラッキーなことに、弟の友人で、南米コロンビア出身のJ君がたまたま日本に留学に来ているということが判明!
またまたラッキーなことに、その彼にスペイン語の翻訳を引き受けてもらえることになりました。
当時のJ君は、日本語があまり話せなかったので、
私が書いた日本語の手紙を弟に英語に訳してもらい、その英語の手紙をJ君に訳してもらいました。
こうして、やっとエンリケ・バリオス氏に出す手紙が完成
早速、その手紙を送りました。
手紙には、ありのままを書きました。
私には、映画製作の経験はないこと、資金もないこと。
しかし、「アミ小さな宇宙人」を映画化することで、
人生に不安や迷いを感じている人に、生きることの素晴らしさを伝えることができる。
また、地球環境問題が叫ばれたり、いまだ各地で戦闘がおこっていたりする現在、
「アミ」を通して、多くのメッセージを伝えることができる。
そして単に映画化するだけでなく、世界中の子供たちに見てもらえるように、
開発途上国の子供たちにも見てもらえるようにしたい。
そのためには、日本のアニメーションというツールは、最適だと思う。
そういう想いを伝えました。
また、どんなアニメにしたいのかというサンプルになるようなイラストを
仕事仲間のイラストレータである、Aさんが、描いてくれました。
(Aさんとのエピソードについては、また別の機会に書きたいと思います。)
バリオス氏に、この熱い思いが伝わり、
(手紙を書いたときには、私の心は確固たる強い想いになっていました。)
クリスマスも近い時期にもかかわらず、すぐによい返事をいただくことができました。
そのお返事には、このように書いてありました。
「あなた方の考えとイラストがすばらしいのですぐに返事を書くことにしました。」
エンリケ・バリオス氏のもとには、今までにいくつもの映像化への問い合わせがあったそうです。
そんな中、私の手紙にお返事をいただけたときのことは、今でもはっきりと覚えています。
嬉しさはもちろんですが、
なんだか、見えない力が働いているような不思議な気持ちでした。
それから、何度かのやりとりを経て
映像化の権利をいただき、徳間書店の石井健資さんもご紹介いただきました。
(石井さんは、「アミ 小さな宇宙人」の編集長さんです)
エンリケ・バリオスさんと、秘書のデボラさんとは、それ以降、事あるごとに、プロジェクトの状況をご報告させていただいたりして、やりとりをさせていただいています。