夕暮れのソネット 例えば雨が飲み物だったら 世界は一体どんなだろう 洗濯物が俄(にわ)かに濡れて 舌を出したままの童心が笑う 君に会いには行きたいのだけれど 目の前で降り出した雨に 「約束」の文字さえ滲(にじ)んでいった 瓶詰に絡み付いた呪文 砂糖漬けはもう永遠にまっしぐらで 僕は好きでもない紅茶を淹(い)れようとする 騒ぎ立てるヤカンばかりが時の流れに従順だった 琥珀色の光が注ぐ 窓の外 巨大な車輪が沈んでいる