悲しみじゃないもの
それは悲しみに他ならず
悲しみじゃないながらに
僕の心に陰影を落とす
悲しみじゃないものが
まだ悲しみだった頃
悲しみの理由(わけ)なんていくらでもあったのに
人々はそれをことごとく見過ごしていった
悲しみじゃないものの
「悲しみ」などという文字が
結局、その悲しみを拭い切れないとしても
あの日僕は君を好きになった
そのことで世界が輝かしく陰影を持つことを知った
それだけで十分だった
生まれ生きるこの世界に
音楽はまだかかっていた
いつも君を探していた
悲しみじゃないもの
それは悲しみに他ならず
悲しみなんかじゃない
と思うほどに悲しいもの