『VIVANT(2023年TBS)』
というドラマについては、実は Netflix で昨年の師走下旬に入る前には、すでに鑑賞を終えていました。
ですが、このドラマも私のようなネタバレ爺さんの紹介だと、「ムービング」の時みたいに小出しにした1話ずつのネタばらしを書くしか能が無いし、「どうしたもんかなぁ…」と悩んでいるうちにどんどん日が過ぎて 年まで越してしまいました。
「兎に角、ドラマ全話を観終わったお前さんが感じたことを書けよ!」…と言うのであれば、
「主役を務める3人がとっても良くて、この物語の全十話は、回を重ねるたびにどんどん面白さが増す作りでした!」…という感想になります。
また、主演の堺雅人さん、阿部寛さん、二階堂ふみさんのお三方が演じているキャラクターがとってもチャーミングで、第一話における彼等と彼女の絡みを観てしまうと、もう後戻りできません。 誰もが次々と続きを観続けてしまうことでしょう。
ネットで情報を確認すると、日本における連続ドラマの平均的な制作費が1話あたり3~4千万円の所を このドラマでは1話に1億円ほど費やしているそうでして、モンゴル等の海外ロケもしっかりやっているし、いろんなシーンで「こいつはお金をかけてるシーンやわ~」って感じましたね。
また、主演の3人以外にも、次々と他の映画やドラマの主役を演じるような俳優さんたちが登場しますし、彼らの周りを固める俳優陣が演じた「脇役クラスの人物たち」の背景設定までもがしっかりと構成されていた点が良かったと思います。
最終話を観終わった時には、主役を演じた堺雅人さんや阿部寛さんの良さを知り尽くしている福澤克雄氏だからこそ作ることができたオリジナルドラマであると感じました。
原作 … 福澤克雄 オリジナルドラマ
『半沢直樹』、『下町ロケット』
『陸王』、演出等
脚本 … 八津弘幸、李正美、
… 宮本勇人、山本奈奈
演出 … 福澤克雄、宮崎陽平
… 加藤亜季子
音楽 … 千住明
わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語(1996年)
愛を乞うひと(1998年)
黄泉がえり(2003年)等が
日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞
ナレーター … 林原めぐみ
『VIVANT』は、TBSの「日曜劇場」枠で、7月中旬から9月中旬まで全10話で放送されたそうです。
第1話から第4話までが前半の「誤送金編」とされていて、各話のサブタイトルは順番に
・第1話 日本から世界へ翔る大冒険が始まる!
・第2話 裏切りと別れ…明かされるヴィヴァンの意味
・第3話 誤送金完結へ!絶体絶命の反撃開始
・第4話 誤送金編完結!裏切り者は許さない!
となっており、
またさらに、第5話から第10話までが後半の「宿命編」とされていて、各話のサブタイトルは順番に
・第5話 ヴィヴァンの真実…明かされる運命の絆
・第6話 愛する父は悪魔か ! ? F誕生の秘密…
・第7話 宿命の兄弟の対峙 ! ! そして…
・第8話 真実への序章…父と二人の息子の宿命
・第9話 激動の最終回前SP~真実への反撃開始!
・最終話 40年の宿命が完結!選ぶのは父か日本か?
となっています。
ドラマ第1話のオープニングは、(あとでわかることですが)主人公の乃木憂助(のぎゆうすけ:演者:堺雅人)という丸菱商事エネルギー開発事業部の2課長、つまり商社のサラリーマンがバルカ共和国という中央アジアの国の砂漠の中を一人きりで歩いてるシーンからはじまります。
不思議なことにこの人物は「内なる二人目の自分」を抱えているようで、灼熱の太陽の光がふりそそぐ熱砂の上を歩みながらもう一人の自分と言い合っているのでした。
いよいよ力尽きて倒れようとする乃木に、もう一人の自分の声が「携帯を出せ!出したらすぐに電源を入れてライトを点けろ!」と命令します。
その声が命令する通り、携帯のライトを点けたものの彼は意識を失って砂の斜面を転がり落ちていくのでした。
そこから画面は暗転し、「A FEW DAYS AGO 数日前」と字幕が入った後で、シーンは日本の丸菱商事本社内部へと変わり、エネルギー開発事業部長が大勢の社員が働いている広いフロアの中で怒りの声を上げているシーンが映ります。
部長が怒鳴っている原因は、バルカ共和国の新興会社の「GFL社」の担当となって太陽エネルギー事業を勧めていた乃木が1千万ドル(約14億円)をGFL社に振り込んだのですが、丸菱のコンピュータと銀行の記録では、なんと1億ドル(約140億円)という10倍もの金額が振り込まれていたからでした。システムエラーが疑われましたが、相当のエラーは見当たりませんでした。
乃木憂助(のぎゆうすけ:演者:堺雅人)
丸菱商事エネルギー開発事業部2課長。
バルカ共和国の太陽エネルギープラント事業の担当者
サム(演者:Martin Starr マーティン・スター)
CIAのオフィサーで乃木の親友として登場するが、そうなった経緯は第1話では明かされない。
山本巧(やまもとたくみ:演者:迫田孝也)
丸菱商事のエネルギー事業部1課長で乃木の同期の男。
長野利彦(ながのとしひこ:演者:小日向文世)
丸菱商事専務。決算までにGFL社への誤送金を回収するように乃木に厳命した。
乃木は専務の命令を受けて9千万ドルを取り返すためにすぐバルカ共和国へ飛びます。しかしGFL社社長のアリ(演者:山中崇)には返金してもらうことはできず、会社では乃木がわざと誤送金したのではと疑われることになります。
乃木はCIAに勤める友人のサムの協力を受けて情報を貰うのですが、実はGFL社のアリは丸菱から振り込まれた1億ドルをダイヤモンドに変えて銀行から運び出していたのです。
そして ダイヤモンドの行き先はテロリストのアル=ザイールという男の潜伏するアマン建設だとわかります。
乃木はさっそくタクシーを手配してアマン建設が在る場所へと向かうのですが、その道中でタクシー運転手に騙されて荷物を奪われた上に砂漠に置き去りにされてしまうのでした。
ここで私たち視聴者はオープニング・シーンがこの置き去られた乃木の姿だったことを知るのですね。
前述のように乃木は力尽き意識を失って砂漠の窪みに滑り落ちていくのでした。
幸いなことに気絶前に点灯していた携帯のライトが陽が落ちてからも光り続けていたおかげで、夜の砂漠をラクダに乗って移動していたアディエルとジャミーン父娘に発見してもらいます。
彼らに救助された乃木は二人の住む家まで連れ帰られて、そこに呼ばれた日本人女医の柚木の治療もあって命が助かったのでした。
そして、意識を取り戻した彼の目の前には羊を抱いた少女ジャミーンが立っていました。この少女は2年ほど前に母親を亡くしてから言葉を話すことができなくなっていました。
そこに父親のアディエルも現れ、乃木は彼に命を助けてもらったお礼を言います。
ここからしばらく、体力が回復するまで父娘の家に世話になる乃木でしたが、そこでごちそうになったジャミーン手作りのパンが固かったことで、彼女は恥ずかしく思いました。
で、ジャミーンが改めてパンを作るために小麦粉から計量器で量っている様子を観た乃木は、計量された粉の量が彼女が言っている500グラムの分量とは違っていることに気づきます。
すると彼は、計量器からおろした粉を自分の右掌の上に載せて「これだとちょっと多いかも」と、粉を減らして正しい分量に変えてあげるのでした。
乃木は秤が壊れていることを発見したのでした。
手で持った物は、1kgまでならば、ほぼ10gの誤差の精度で重さを量れるのが乃木の特技だったのです。※そしてこのことは後々物語の重要な場面で活かされます※
その後、体力も復活した乃木は、父娘に助けて貰い、もらい、乃木は何とかアル=ザイールというテロリストが潜伏するアマン建設の所在地であるセドルに連れて行ってもらいます。
乃木はセドルの地元警察に賄賂を渡して味方につけると、パトカーに同乗してアマン建設のザイールの元にたどり着きました。
大きなゲル(モンゴル風テント)の中に招き入れられた乃木と警察官たちを見送ったたアディエルとジャミーン父娘は、広くもない通りをラクダに乗って観察していました。
テントの中で乃木と面会したザイールはGFL社社長のアリから受け取った9億円分のダイヤモンドを返すように要求されますが、そんなものは知らないとシラを切ります。
しかし、乃木はマネーロンダリングの現場が映っている動画を自分のスマホでザイールに見せてザイールの嘘を論破します。
するとザイールは「今まで、自分の活動にたどり着いた人間はお前だけだ。お前がVIVANTか?」という謎の言葉を投げかけます。
すると覚悟を決めたように「家族を守るためにはこうするしかないな」と、周りを取り巻く人間たちに自分の体に巻き付けた大量の爆薬を見せて、自爆テロの道連れにしようとするのでした。
「今から逃げても爆風でやられる。俺を撃ってもこのスイッチ位 押せる。どっちにしろ全員死ぬ。すべては、お前のせいだ!」と乃木を指さしながら捨て台詞を吐きます。
「絶体絶命!」と思った瞬間に銃声がして、撃たれたザイールの手から起爆スイッチが落ちます。
そこへ銃を撃ったと見える一人の背の高い日本人が飛び込んできて、座り込んでいた乃木のスーツの襟をつかんで引っ張り、爆発する前に遠くへ逃げようとします。
その時、ゲルの外ではアディエルとジャミーン父娘が乃木を待っていましたが、ゲルのドアから外に飛び出た日本人の男が「爆発する、伏せろ!」というのを観ました。
そしてアディエルは、「娘だけは助けてください」と神に祈るとジャミーンを横倒しにして彼女を爆発から守るように覆いかぶさります。
片や乃木と彼を引っ張った日本人の男は、すぐ近くに廃棄物用として掘られていた大きな穴を見つけると、そこに飛び込みます。
そして轟音とともに大爆発が起こり、セドルに大爆発の猛煙が立ち上りました。
その様子をバルカの中央総合病院の窓から大勢の医師たちが見守っていましたが、その医師団の中にアディエルの家で乃木を治療した日本人女医の柚木薫(ゆずきかおる:演者:二階堂ふみ)が居ました。
ここで御免なさい。
いつものことですが、このつづきは(第1話:その2)で後日書かせて頂きます。
執筆者への愛のムチを
頂けましたら幸甚です